NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」の登場人物と演者の情景について、あれこれと随想したいと思います。
第三回「同胞」の概要
NHKオンデマンドの場合
ねねは、清洲城の塀が3日で修理できなければ藤吉郎の首が飛ぶと心配して、尾張の中村に藤吉郎の母・なかを訪ね、義弟・小一郎の協力を頼みます。なかは藤吉郎の無鉄砲な行いに怒りをぶつけますが、小一郎に、ねねのために清洲に行くことを許します。そして、ねねや小一郎の協力があって、塀は見事に完成します。藤吉郎はこの功績によって、信長から正式に武士の身分に取り立てられて、藤吉郎秀吉と名のることになります。
週刊おんな太閤記随想、第三回「同胞」
第三回「同胞」の渡隅版のまとめ記事
登場人物と演者の情景
メインキャストを中心に気になった点を独断と偏見でピックアップ。
ねね役の佐久間良子さん
奥の間に客人がいるのに、土塀修理のことでストレスをぶつける情景とか(笑)焦れたような演技が若妻っぽくてよかったですね。
随所にザ・ヒロイン的なパフォーマンスを魅せつけて止まない当時の佐久間良子さん。他の登場人物が個性的なので一見目立ちにくいところもあるけど。凄く安定感抜群だと思います。
佐久間良子さんがヒロインだから、他の役者さんたちが力量を発揮しやすい様相にも。
小一郎役の中村雅俊さん
おみつの行水を小一郎が目の当たりにて。藤吉郎の同胞(はらから)がハラハラした一幕(笑)#おんな太閤記
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おみつの行水を見てしまって、もちろんハラハラしつつも。小一郎がたれ目になるようなにやけ顔を橋田先生に要求されなかった様相にも。この点が橋田先生が描写する小一郎、といった印象。
一言一言を噛みしめるかのように。落ち着いて長台詞を処理した当時の中村雅俊さん。#おんな太閤記 第三回
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土塀修理を成功させた後、兄に黙って中村に帰る情景にて。
やっぱり長台詞ということで、芋づる方式に台詞を覚えていたのか。兄を語る小一郎が、一言一言丁寧に確かめる様相だったのが印象的。
やや役の浅茅陽子さん、
第三回でも、口が過ぎた、やや。浅野家に金の無心に来た姉のねねに対して「どぶに捨てるような銭じゃ」とか、「死に金というものじゃ」とか、言いたい放題(笑)それでも、やはり時代劇ということを考慮したのか、姉のねねや母のこひからビンタをお見舞いされることは無く。
浅野家に金を無心に来た姉のねねに対して。終いには死に金とか、相変わらず口が過ぎて止まなかった、やや。んが、今日という今日もビンタが表現されなかった一幕にも。橋田先生もあんまりじゃ!#おんな太閤記 第三回
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こういうとき、ややがビンタをお見舞いされると、視聴者としては結構スカッとするかも(笑)
藤吉郎が土塀修理を成功させることができれば二十貫文の銭は安い的なことを母・こひが言った時の、ややの顔(笑)
第三回もしっかりと憎まれ役に徹する浅茅陽子さん。
哀愁を漂わせた美しい笛の独奏、そして仏像を前に念仏を唱える、ねね。こうした美しい情景を、ややが一気にぶち壊す(笑)#おんな太閤記 第三回
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そうそう、姉の専属瓦版としてのお役目もしっかりと果たしてましたね(笑)
ちなみに、姉夫婦が小牧山の方に引越ししたけど、浅野家はどうなるんでしょうね。
まつ役の音無美紀子さん
土塀修理の成功で、足軽大将から士分として、前田夫婦の隣家にお引越し。
他の大河ドラマを観ていても、この時代のねねやまつに関しては、転勤族の奥さんとして描写されることが結構ありますね。それが、だんだん出世の競い合いっぽくなったり。
というわけで、ねねと会話をした、まつの一幕だったのですが。
「まつ(利家の妻)」とかって。画面に入れ忘れたかな??まつを忘れないで(笑)#おんな太閤記 第三回
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ちなみに、お市に関しても、一瞬だけどの出演だったこともあってか「お市(信長の妹)」みたいなのが画面にはいっていませんでしたね。
まつのことも市のことも忘れてませんか?当時の制作スタッフさん(笑)
おみつ役の東てる美さん
第三回の登場人物で、かなりの敢闘賞だった、おみつ。
だって、登場したと思ったら、いきなり行水ですからね(笑)
おみつが美しい左肩部を露わにした行水の一幕(笑)#おんな太閤記 第三回
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当時の東てる美さん、かわいいですね。色んな意味ではまり役と言いますか(笑)
踊りをたつきに諸国をまわっておるそうな、おみつ殿とかいう(ねね)#おんな太閤記 第三回
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おそらく、白拍子みたいな感じなのかな。出雲阿国的な。
大事な客人たちの前で、踊りを披露して魅せた紅一点のおみつ。#おんな太閤記 第三回
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もちろん、ねねもいましたけど。ねねは台所方ですからね。
客人どもに対する接遇係は、おみつが紅一点の様相でしたね。もっと、コンパニオン的な、おなごを集めてきてもよかったような。おみつ一人というのが動員的に違和感があったかな。
エンディング付近では秀吉の蜂須賀小六の謀反を伝えたりと。
おみつは、秀吉付きの間者の様相を呈してきましたね。
おみつについては、別記事「おみつの刻」で詳しく語りたいと思います。
信長役の藤岡弘、さん
土塀修理の完成を見届けたのと。秀吉と対戦武将の川狩りというか川遊びにて。利家と一緒に大笑いしていた一幕で登場。
お市役の夏目雅子さん
輿に乗っているお市が一瞬だけ画面に映っただけ。光の関係なのか、ロン毛が白髪に見えてしまう部分があるのがもったいない。
とも役の長山藍子さん
妹のきいの祝言の日に登場。祝言中は、夫・弥助とのツーショットがメインでした。
ともについては、別記事「ともに記す」でくわしく語りたいと思っていますが。
利家役の滝田栄さん
犬千代から利家にリニューアルして。ますます、見た目の男っぷりが上がってきた様相の滝田栄さん。
第二回で前任の普請奉行(奥村公延さん)と一緒に信長の傍らに居たりしましたが。
利家って秀吉と同じ身分なんだよね。なのに信長の傍らで、上から目線で秀吉の見世物を嘲笑ってたんですけど!#おんな太閤記 第三回
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利家、相変わらず秀吉に対しては上から目線。でも、あの川遊びを見せられたら、類にもれずに笑うしかない(笑)
秀吉と利家様、ちょっとしたことですぐに馬鹿笑い(笑)#おんな太閤記 第三回
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この点は、橋田先生からの指示が色濃いのかな。それにしても、笑いのネタからしても、そこまで意気投合した大笑いを示さなくても、といった様相にも(笑)
なか役の赤木春恵さん
藤吉郎への「たわけ」扱いが多い、なか。
たわけの藤吉郎(笑)#おんな太閤記 第三回
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第三回では、特に橋田先生からの命を受けた伏線の伝道師的な役割を担っていた様相。
中村ファミリーは、ねねに子が授からなかったことで、これから悲喜交々ロードをまっしぐらですから。やたらと、秀吉への警戒色が強い。同じく大河ドラマの『秀吉』とかも観ていますが、市原悦子さんが扮した、のほほんとした、なかとは色んな意味で別物ですね。
赤木春恵さんのなかは、橋田先生の特命担当係みたい(笑)
なかの面相が(笑)悟りを通り越してますよね。
きい役の泉ピン子さん
百姓の嘉助に嫁ぐことができることを喜んだ、きい。
んが、喜んでいる、きいの様子を描写することが橋田先生からの伏線描写であったりと。だって。
んが、どっかの兄様が天下人になっちゃったら。別の意味でペコペコ生活が待ってるかもね。#おんな太閤記 第三回
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でも、百姓が天下人になるなんて、普通はあり得ないことですからね。
きいについては、別記事「あさひ物語」で詳しく語りたいと思います。
秀吉役の西田敏行さん
第三回では、藤吉郎にとって節目となる出来事がありました。
今日から儂は、木下藤吉郎秀吉と名乗る(藤吉郎)#おんな太閤記 第三回
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まさに出世街道まっしぐらということで。
ついこないだまでは、犬千代を追いかけて変な走りを披露していましたが。
なんだか秀吉。思いっきり調子に乗って馬に乗って(笑)#おんな太閤記 第三回
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いよいよ、西田敏行さんが馬術を披露して魅せましたね。
それにしても藤吉郎、いつ馬に乗る訓練とかしたんでしょうか。
当時の西田敏行さん。またしても褌一丁で今度は川遊び(笑)#おんな太閤記 第三回
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この辺は、藤吉郎をユーモラスに表現した橋田先生の期待に西田敏行さんが見事に応えた形に(笑)逆に言えば、西田敏行さんだから、とりあえず川狩りの情景を入れてみたのかも。
西田敏行さんの舞(笑)二回目!#おんな太閤記 第三回
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西田敏行さんが舞うと絵になりますね。
扇子を下向きにして左右に動かした情景が個人的には好み。なんだろ、滑稽の様相がいいんですよね。
気にならない道理がない新キャスト
きいの幼馴染で祝言相手の嘉助役として、せんだみつおさんが初登場。
橋田壽賀子作品の大河ドラマ『春日局』にも出演されていましたね。
きいの旦那役ということで、回によっては重要な役どころを担うことになりそう。
きい役が泉ピン子さんということで、当分の間は、二人してバラエティ色を強めそうにも。
週刊おんな太閤記随想、第三回「同胞」