NHKおんな太閤記、第十七回「乙御前の茶釜」登場人物と演者の情景

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」の登場人物と演者の情景について、あれこれと随想したいと思います。

ネタバレ、御免!

 

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第十七回「乙御前の茶釜」の概要

天正5年(1577)、秀吉は謀反を起こした松永久秀を滅ぼし、中国攻略を押し進めます。三木城主・別所長治が調略に応じ、秀長は三木城で侍女になっていたしのと再会します。その年の暮れ、信長はねねの内助の功をねぎらう宴席を設けて、秘蔵の乙御前(おとごぜ)の茶釜を秀吉に与え、茶会を開くことを許します。その宴席でねねは信長の四男・於次(おつぎ)丸と出会い、羽柴の跡継ぎにしたいと信長に願い出ます。

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月額990円(税込)でNHKの名作見放題!信長はねねをねぎらう宴席で、秀吉に乙御前(おとごぜ)の茶釜を与えて、茶会を開くことを許します。ねねは信長の四男・於次(おつぎ)丸を羽柴の跡継ぎにと願い出ます。

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姉様の小姑が不満をもらす

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

ややに関しては、たまたま長浜城に居合わせたということで。秀吉から直接、正月に安土に行って夫の長政と一緒に過ごせばよいという、ややにとっては嬉しい話が!

 

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

じゃがのう、嘉助や弥助はいずれも戦地。正月に夫と一緒に過ごすことができない、ともときいは面白くはないわけで。ねねの身内ばかり側近にしているなどと、ともが不満を露わに。

そこで、秀吉のおかかとして事を丸く収めようとした、ねねの術は。

事の顛末は別記事で詳しく

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ねね:佐久間良子さん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

秀長殿はもう、堺へ着かれたころであろうか(ねね)

の時に、なぜかカメラ目線が冒頭の方にあり。

 

そして、信長への於次丸頂戴アピールが大成功!が、秀吉の前では一芝居。

如何にも駄目だった様相を、ねねが醸し出した一幕は舞台演出さながらでしたね。

 

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

障子を挟んで顔を見合わせた、ねねと秀吉とかね(笑)

この一幕の佐久間良子さんは喜劇役者っぽくて美味でした。

秀長:中村雅俊さん

秀長の魅せ場は二つありましたかね。

まずは千宗易との御対面。

 

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

貴方様の御命を借金の抵当になさるとおっしゃいますか(千宗易)

はい。お返しできぬ仕儀に相なりました時には、せめて御詫びに腹かき切って相果てる所存にございます。(秀長)

千宗易に対して、秀長自身の命をかたに借金を願い出た情景。借金を返済できなかったら腹を切るとか、秀長が武士っぽいことを言い出すようになったりと。そんな秀長が千宗易から妙に好印象を持たれた次第。

二つ目の魅せ場は、三木城内での、しのとの再会。

しのとの色恋沙汰については、別記事でご紹介しています。

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信長:藤岡弘さん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

じゃが、今日の酒宴は筑前の為に催したのではない。今日はねね、そちの労をねぎらうための酒宴ぞ。これまでの筑前の数々の働きも、陰でねねが支えていたからこそ、後顧の憂いも無う、存分に務めを励むこともできたのじゃ。ねねの力を忘れてはならん。(信長)

そなたにも今度の播磨、但馬の計略の褒美としてこれを遣わそう。乙御前(おとごぜ)の釜じゃ。今後、筑前にも茶の湯を許そうぞ。(信長)

筑前の忠勤、織田の武将多しといえども、右に出る者はおらぬわ。一同、よう聞け!侍ほどの者は、この筑前にあやかるがよい。(信長)

というわけで、秀吉・ねね夫婦をべた褒めだった信長。

 

さらには、翌日に再び安土に姿を現した、ねねから遠回しに、遠回しに、四男の於次丸を所望されて。

そちは於次が気に入ったのか(信長)

上様!於次丸様を私に!(ねね)

今度はストレートの於次丸頂戴アピールに転じた、ねね(笑)

 

はっ!申し訳ございません!あまりにも良い御子故、つい前後の見境ものうて。女子(おなご)の浅はかさ、御許しくださいまし!(ねね)

(笑)ねね。そちに於次を遣わそう。そちなら於次を愛おしんでくれよう。於次はのう、母親の愛を知らずに育った子じゃ。そちを母に持てば、於次も幸せというものよ。(信長)

というわけで、ねねに於次丸を遣わすことにした信長。

乙御前の茶釜、さらには於次丸まで、信長の大判振る舞いが際立った回でしたね。

 

秀吉にとって於次丸は、信長から人質を取ったようなものであった。また、信長にとっても似たような意図があってのことである。秀吉の力量を買っていた信長は、それだけに秀吉を恐れてもいた。が、於次丸を養子にやることで、完全に秀吉を支配できるわけである。それが乱世というものなのかと、ねねはおぞましく、於次丸が哀れに思えてならなかった。(語り)

信長は色んな家臣から謀反を起こされているので。秀吉に関しても敵対されたら嫌だな、とか思っていた可能性はありますね。

もしも、本能寺の変がなかったら。信長の全国統治下において、秀吉はどのような活躍を魅せたのか。毛利攻めを経て、西国管領として手腕を発揮したのか。それとも、何かしらの理由で信長に潰されたのか。信長と秀吉の関係がどのように発展していったのか、やはり気になるところですね。

しの:田中好子さん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

別所長治の御内室の侍女になっていた、しの。長治の居城、三木城にて秀長と再会することに。

別記事にて詳しくご紹介します。

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千宗易:内藤武敏さん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

秀吉の名代として銭を借りに来た秀長と対面した千宗易。

貴方様の御命を借金の抵当(かた)になさるとおっしゃいますか(千宗易)

よろしゅうございましょう。貴方様の御命と引き換えなれば、宗易、これほどの銭惜しいとは思いませぬ。(千宗易)

銭は惜しゅうございませぬ。しかし、貴方様の御命を頂くのは誠に惜しゅうございます。貴方様には末永う生きていただいて、宗易、親しく御付き合いをさせていただきとうございますな。いやあ(笑)勝ち戦をお祈り致しております(千宗易)

いや、それにしても筑前殿は立派な弟御をお持ちじゃ。筑前殿に貴方様がおいでになる限り、御武運の尽きることはございますまい。(千宗易)

もちろん、宗易が秀長のことを気に入る何かしらの理由があったんでしょうけど。橋田先生からの史実的伏線が強すぎて、なぜ宗易が秀長を気に入ったのかという説明が足りない(笑)

兎に角、宗易の台詞が、秀長亡き後の豊臣家の暗雲を暗示しない道理がない様相にも。

 

秀長と千宗易との親交は、秀長が世を去るまで続いた。二人の協力が秀吉の天下統一に、またその後の治政に大きな役割を果たすことになるのである。(語り)

ということで、内藤武敏さんが扮した千宗易の活躍が今後は顕著になりそうですね。

浅野長政:尾藤イサオさん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

義姉・ねねの小姑たちの作用によって。正月に、ややと安土で会うことはできなかった様相。

それでも、安土では秀吉の側近として御役目に励んでいた浅野長政の一幕。

結局、ねねは再び安土城へ参上した(語り)

長政!長政!(秀吉)

はっ!(長政)

おかかはまだか!(秀吉)

はい(長政)

何をしておるのかのう?(秀吉)

先ほどお出かけになったばかりではございませぬか。やっと御城へ御着きになられた頃かと存じますが。(長政)

うるさいわ!そのようなこと分かっとるわ!(秀吉)

於次丸を養子として頂戴するため、再び安土城に参上した、ねねの動向が気になっていた秀吉から呼びつけられたり。

 

これほど目出度いことはないではないか!(笑)祝いじゃ!祝いじゃ!祝いじゃ!長政!長政!(秀吉)

かと思えば、於次丸を養子に頂戴できることを、ねねから秀吉が知らされたときも。やっぱり秀吉から呼びつけられたりと。

相変わらず、さりげない御働きでしたね。

秀吉:西田敏行さん

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

そなたにも今度の播磨、但馬の計略の褒美としてこれを遣わそう。乙御前(おとごぜ)の釜じゃ。今後、筑前にも茶の湯を許そうぞ。(信長)

筑前の忠勤、織田の武将多しといえども、右に出る者はおらぬわ。一同、よう聞け!侍ほどの者は、この筑前にあやかるがよい。(信長)

信長から褒美として乙御前の茶釜を拝領したり、茶の湯を許されたり。信長に両頬を触られて(笑)光秀とか他の家臣の前で褒められたり。まさに、信長の家臣として絶頂期と言っても過言ではないかもな秀吉。

見方によっては、すっかり茶器に騙された秀吉といった様相にも。この点は、もしかすると「どうして茶の湯がそれほど」と疑問視していた、ねねの感覚の方が妥当かもしれません(笑)

そして、ねねを信長のいる安土に再び送り込んで、於次丸を養子として頂戴することにも大成功。まさに、信長配下としては順風満帆過ぎた秀吉の出世街道。

 

 

 

画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十七回「乙御前の茶釜」

 

次回に続く

 

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