2022年4月からNHK BSプレミアム・BS4Kで再放送がスタートした橋田壽賀子作品の大河ドラマ『おんな太閤記』。そこには、長年に渡って渡鬼の主演として活躍した橋田・石井ファミリーの泉ピン子さんも、きい役で出演されました。
というわけで、第三回「同胞」で泉ピン子さんが扮した、きいに注目してみました。
第三回「同胞」の概要
NHKオンデマンドの場合
ねねは、清洲城の塀が3日で修理できなければ藤吉郎の首が飛ぶと心配して、尾張の中村に藤吉郎の母・なかを訪ね、義弟・小一郎の協力を頼みます。なかは藤吉郎の無鉄砲な行いに怒りをぶつけますが、小一郎に、ねねのために清洲に行くことを許します。そして、ねねや小一郎の協力があって、塀は見事に完成します。藤吉郎はこの功績によって、信長から正式に武士の身分に取り立てられて、藤吉郎秀吉と名のることになります。
おんな太閤記随想、第三回「同胞」
第三回「同胞」について、渡隅版のまとめ記事
泉ピン子さんのクレジットタイトル
あさひの一幕
第三回「同胞」における、あさひの登場シーンについて、気になった点を随想します。
できる限り、あさひの口調を模倣しつつ(笑)
義姉様って、雨女??
今朝も中村は雨じゃ。っていうのに、おっかさあは何やら野良仕事に行く気満々じゃけえ。おっかさあは「晴耕雨読」を知らんのかいのう。とは言っても、おっかさあにしても、儂にしても書物なんぞ読めん。っていうか、そもそも儂らに書物など買う道理がないんじゃ。雨水みたいに天から銭が降ってくれば別じゃが。
きい:義姉様!
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
なか:いやぁ、あのたわけの藤吉郎が戦でくたばりおったかと思うたわ
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
朝早うから義姉様がまたやって来たんじゃ。おっかさあは憎まれ口たたいておったんじゃが。義姉様が中村にやって来る時はいつも雨が降っとるんじゃ。義姉様は雨女かのう。どうせなら銭女になってもらって、銭でも降らしてほしいのじゃが。
義姉様の着物
義姉様は綺麗な着物を着ておるのう。それに比べて、儂らの着物はみすぼらしいんじゃ。貧富の差が明らかでのう。
それはそうと、義姉様が雨の中、わざわざ中村に姿を現したのは、やっぱり藤吉郎兄さのことじゃった。清州城の土塀修理を三日で終わらせるって織田のお殿様に豪語したそうな。義姉様は気苦労されておる。
理想の嫁と姑
義姉様としては、土塀修理を三日で終わらせるためにも、藤吉郎兄さのそばに小一郎兄さが居てほしいんじゃと。小一郎兄さは躊躇しとったんじゃが。
なか:小一郎、行ってやれ。
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
なか:ねねさのためじゃ。
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
おっかさあは、藤吉郎兄さのことで中村にやって来た義姉様の心を無にしたくはなかったようじゃ。
きい:義姉様も、兄さと添うたばっかりにご心労なことじゃのう。
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
それにしても、おっかさあは、藤吉郎兄さには厳しいんじゃが、嫁の義姉様のことはよう気遣っておる。おっかさあと義姉様、嫁姑問題とは無縁なんじゃ。ええ関係じゃのう。
そう言えば最近、夢を見てのう。おっかあと儂は後の世でも何やらファミリーのようなんじゃ。そこではな、おっかさあが姑で、儂が嫁じゃった!姑に転生したおっかさあが、何かにつけて儂に憎まれ口をたたくんじゃ。恐ろしい夢じゃった。どうせなら、死んだ後に、実の息子や娘たちじゃなくて、嫁に遺産を相続させたいとか、浮世離れしたような姑じゃったら「終わり良ければ総て良し」なんじゃがのう。
そう言えば。4月15日は #遺言の日 だったみたいですね。というわけで、生前のキミが弁護士の末永政義に預けていた「遺言公正証書」 によって。嫁の五月に遺産を相続させたかった遺志が明らかにされた姑の四十九日。#今日は何の日
画像:TBS『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』2019遺言 pic.twitter.com/34Z2uvyDZf— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 15, 2022
百姓の方がなんぼええか
なぜか知らんのじゃが、義姉様が来てる最中に嘉助さが来たんじゃ。嘉助さは、儂の幼馴染で百姓でのう。今度祝言を挙げるんじゃ。見ての通り、仲は睦ましくて会えばデレデレ状態じゃけえ。
じゃが、嘉助さは侍の藤吉郎兄さにあこがれてるみたいで心配なんじゃ。百姓が一番ええのにのう。
おっかさあの予言
嘉助さとの祝言が近づいていてのう。儂の着物をおっかさあがこしらえてくれたんじゃ。
なか:うれしいか?
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
藤吉郎兄さが祝言に来てくれるといいんじゃがのう。藤吉郎兄さと義姉様は小牧に行かれて遠くなったけえ。
おっかさあは藤吉郎兄さに来てほしくないようなんじゃ。
藤吉郎は我らと違う人間になったのじゃ、とんでもない災いに巻き込まれるのが関の山じゃ(なか)
中村ファミリーの行く末を予見して止まなかった、なか。演者は、赤木春恵さん。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第三回「同胞」#おんな太閤記クレジット pic.twitter.com/EVWsNDec6F
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 21, 2022
おっかさあは藤吉郎兄さのことになると予言者気取りでのう。儂らの行く末を案じておる。何とかならんかのう。
兄さが来てくれた
嘉助さとの祝言の日、藤吉郎兄さも来てくれたんじゃ。おっかさあは門前払いしようとしておったんじゃが。侍ではなく、儂の兄として来てくれたことを義姉様がアピールしてくれてのう。
藤吉郎兄さが舞を披露してくれてな。扇子で瓢箪を表現したみたいでのう。見事な舞じゃった。あんな舞、いつの間に覚えたのかのう。
するとな、急に女人が現れたと思ったら、藤吉郎兄さが行ってしまわれたんじゃ。
儂らは絶句してしもうたんじゃが。
そういえば、嘉助さのファミリーが誰も来んでのう。その理由がようわからん。
義姉様と旦那様の藤吉郎兄さが主役じゃ。嘉助さと儂は脇役じゃけえ。儂らの説明に関しては、二の次のようでのう。
祝言の後、嘉助さと何したかって?聞くだけ野暮じゃ、恥ずかしゅうて言える道理がなかろう。
それにしても、おっかさあは、お侍になった藤吉郎兄さへの拒否反応が強かったのう。
なか:あれが侍というものよのう。おかかを泣かせて、人を殺せば女房子供が泣くのじゃ。戯け者よ、藤吉郎は。
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第三回「同胞」
儂らが侍の藤吉郎兄さに振り回されて泣かされることを予見しておるような口ぶりじゃった。
儂は嘉助さと祝言さ上げたばかりじゃけえ。百姓でラブラブなのが一番じゃ。
これからどうなるかのう。
第三回、あさひ物語ツイート
うれしいか?(なか)
祝言が近づいていた娘・きいのために。花嫁衣裳をこしらえた、なか。おっかさあの針仕事に魅了された、おんなの術。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第三回「同胞」#あさひ物語 pic.twitter.com/vzMMke8QpP
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 21, 2022
#岡倉姉妹対決「水汲み」篇
姉・とも役だった長山藍子さんは、力んだ面相をアクセントに。他方、妹・きい役だった泉ピン子さんは、紐の取り扱いに意識を集中させた様相にも。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第三回「同胞」#ともに記す #あさひ物語 #太閤の姉妹 #おんな太閤記水汲み pic.twitter.com/4Kotc3sHI2
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 21, 2022
「あさひ物語」カテゴリー
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