画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」において、橋田壽賀子作品ならではだったことをあれこれと随想してみました。
第十六回「秀吉蟄居」の概要
秀吉は、信長の命で上杉謙信と戦う柴田勝家を援護するため越前に出兵しますが、勝家と衝突して信長の許しもなく兵を引き上げて長浜に戻ってしまいます。秀吉がなぜ信長の命に背いたのか、ねねには分かりませんでした。信長は秀吉を打ち首にすると激怒しますが、ちっ居処分で済みます。すると、秀吉は毎晩酒宴を開き、信長の側近に付け届けをして金を使い果たします。それは、信長に盾つく気などないと証明するためでした。
武井夕庵が秀吉の助命に一役買う
画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
劇中にて武井夕庵の名前が出たわけではないけれど。演者は多田幸男（別名・多田幸雄）さんだったので。クレジットタイトル上で多田幸男さんが武井夕庵に扮したことを確認できました。
劇中では、信長の主命に背いた秀吉に関して、助命に向けた働きかけが何かとありましたね。
というわけで、今回の武井夕庵の働きに関しては別記事でご紹介しています。
橋田先生が描写した物語を観た限り、武井夕庵はいかにも秀吉擁護派とでも言いますか。
それは、NHKおんな太閤記において、ねねと共に秀吉はW主演の様相を呈していますからね。秀吉寄りの流れで描写したかった橋田先生の意向は当然の道理かも。
画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
実際のところ、武井夕庵に関する史実のことはよくわかりませんが。
ねねが秀吉を悪し様に言った、ややにビンタ
画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
秀吉の出世に伴って、夫の浅野長政が与力から直参となったこともあり。秀吉に対して悪し様に言うことがなくなっていた、ややでしたが。
秀吉が信長の主命に背いたということで、久しぶりに、ややの言葉が過ぎることに。それでも、これまでは、ややがどんなに口が過ぎたとしても、ねねは言葉で言い返したり堪忍するのみで暴力に訴えることは決してなかったのですが。ついに今回は、ねねがややにビンタを御見舞いしました！
ねねやや姉妹のビンタ場面に関しては別記事でご紹介しています。
子が授からなかった姉に対して言ってはいけない禁句もありましたが。ややの台詞を確認すれば、至って正論を言っているのがよくわかります。
兎に角、秀吉がどんな窮地に立たされても、ねねが秀吉の一番の理解者であることを橋田先生が強く主張しない道理がない様相でしたね。
だとすれば、ややは以前にも秀吉のことを悪し様に言う場面が多々あったわけですから。その際には、ねねがややに対してビンタを御見舞いするように、橋田先生から逐一の指示出しが欲しかったかも（笑）
謙信公の漢詩を秀吉が読解する
画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
いよいよNHKおんな太閤記で上杉謙信公が大きくクローズアップされました！
橋田先生が劇中にて、謙信公がこしらえた漢詩「九月十三夜陣中作」を登場させたわけです。
文（ふみ）ではなく漢詩です。それをなんと秀吉が読解しちゃったわけです！
謙信公の漢詩を秀吉が読解した情景については別記事でご紹介しています。
わざわざ、秀吉の台詞を通してまで謙信公の漢詩を取り上げており、しかも謙信公の器が並外れていたことを秀吉が悟ってしまう流れ。
兎に角、謙信公をリスペクトしたい気持ちが伝わってこない道理がない橋田壽賀子ドラマの一幕でした。
画像：NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十六回「秀吉蟄居」
次回に続く
週刊おんな太閤記随想、第十六回「秀吉蟄居」
第十六回「秀吉蟄居」について、渡隅版のまとめ記事
