TBSの国民的ホームドラマと言えば『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』なわけですが。
令和元年五月、日経新聞の「私の履歴書」に登場した橋田壽賀子さんが渡鬼の物語をこしらえるにあたって重要視されていたことなどを改めて語りました。
以下、日経新聞「私の履歴書 橋田壽賀子(26)『渡鬼』」についてご紹介します。
大きな反響を呼んだ日経新聞連載「私の履歴書」の書籍化!
橋田壽賀子ドラマと渡鬼
それでは日経新聞「私の履歴書 橋田壽賀子(26)『渡鬼』 」の内容を確認していきたいと思います。

「神田明神での豆まき」のお写真。皆さんお若くてハツラツとしているなぁ。
TBSの大河ドラマ「渡鬼」
「渡る世間は鬼ばかり」は「ドラマのTBS」の看板を背負って制作されたドラマだった。それ以前に「おんな太閤記」「いのち」「春日局」という3本の大河ドラマを書いていたから、TBSも民放版大河を書かせてみようと思ったようだ。
昭和時代には、1年間を通して放送されていたドラマが結構ありましたね。
例えば、日本テレビで放送されていたユニオン映画制作の『ゆうひが丘の総理大臣』とか。
tvk『ゆうひが丘の総理大臣』毎週月~木22:00
4/1月スタート出演:中村雅俊 由美かおる 神田正輝 宍戸錠 名古屋章 小松政夫 由利徹 岡田奈々 木原光知子 井上純一 草川祐馬 清水昭博 斉藤とも子 藤谷美和子 島村聖名子(現・小川菜摘) 篠ひろ子 前田吟 樹木希林 ほかhttps://t.co/RUwmyf0Vf7 pic.twitter.com/uFh7R0TBAH
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) March 23, 2019
ちなみに、中村雅俊さんはユニオン映画制作ドラマでのご活躍を経て、NHK大河ドラマ『おんな太閤記』や連続テレビ小説『おしん』といった橋田壽賀子先生がこしらえたドラマにも進出されました。
おしんの命の恩人・俊作を演じた中村雅俊さんのクレジット
出典:NHK連続テレビ小説『おしん』第13回https://t.co/uuHtp6Y5Yu pic.twitter.com/n2zsiTnWIg
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 15, 2019
「橋田壽賀子ドラマ」の冠
ただ「渡鬼」には「橋田壽賀子ドラマ」という冠が付いた。
すなわち渡鬼とは「TBS大河ドラマ『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』」なわけだ。
#橋田壽賀子ドラマ pic.twitter.com/k9nq9F6p1Q
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) July 21, 2018
概してドラマに作家の冠が付いているということは、作家のネームバリューだけである程度の視聴者を呼び込むことができることを意味しているような。
誰もが直面する話題をテーマに
私は新聞をよく読む。中でも投書欄は欠かせない。ラジオの人生相談番組にも耳を澄ます。いまの日本人が、年代や境遇によって何を考え何に悩んでいるかを知ることができるからだ。
橋田壽賀子先生が渡鬼の物語をこしらえる時に役立てた情報収集ツール。
渡鬼第1シリーズがスタートした当時は、インターネットが庶民レベルに普及していたわけでもなかったので、紙の新聞が届けてくれる日々のニュースとかが当たり前のように有難かった時代です。
私はこのドラマをサラリーマンだった岡倉大吉の「退職後」で始めた。夫の嘉一が、亡くなるまでの短い時間ではあったけれど、定年を迎えて第二の人生を歩き始めるのを見ていた。
亡き夫・嘉一さんの第二の人生を渡鬼の岡倉大吉に託したようにも。
力がある作家の先生は、物語をこしらえることでドラマ化されたりして別の人生を嗜むことができるから。もちろん、それは選ばれたごく一部のスペシャリストにのみ許された妙技。
誰もがいつ直面するかわからないテーマはいくらでもある。
〈中略〉
これに加えてときどきの問題も取り入れた。
生まれては消えていった渡鬼の話題。
加津がブログで小説を書くようになったり、五月がケータイで愛にメールを打つようになったり。「先生、やるじゃん」とつい思ってしまうような話題を取り込んでいましたね。
それにしても。邦子にクレーン免許を取得させた橋田壽賀子先生の閃きが何とも(笑)
理屈化された長台詞の理由
テレビを見ていなくても台所でセリフを聴いていれば、話の筋がわかるように場面の切り替えを少なくしたということもある。後から付けた理屈ではあるけれど。
長台詞の意味が後付けされた理屈であると赤裸々に語られた橋田壽賀子先生(笑)何とも清々しいなぁ。
そう言えば、倉本聰さんの作品。例えば『北の国から』とかに関しては、登場人物の葛藤中に回想シーン、それもほんの一瞬だけ映し出される手法が結構とられていたのが対照的。この場合、しっかりとテレビ画面を観ている必要があったり。
橋田壽賀子ドラマの長台詞、個人的には物語の復習にもなったりで有難いと思っている。
まとめ
日本経済新聞5月26日付朝刊「橋田壽賀子(26)『渡鬼』」をご紹介しました。
令和初の渡鬼スペシャル放送がますます楽しみになってきましたね。
令和も渡鬼、橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」新作が放送決定 – 映画ナタリー https://t.co/bYe78t9tam
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 10, 2019
大きな反響を呼んだ日経新聞連載「私の履歴書」の書籍化!
