令和3年4月9日、TBSが「ぴったんこカン・カン 追悼特別企画 ありがとう橋田壽賀子先生」 を放送しました。
それは、ぴったんこカン・カンに出演されていた橋田先生の在りし日の姿を偲ぶことができる内容となっていたわけですが。
特に印象的だったのは、亡くなった盟友に捧げた石井ふく子プロデューサーの手紙。もう、涙なくしては観られない内容となっていました。
そこで、ぴったんこカン・カンの追悼企画で気になったことをピックアップしつつ、石井ふく子Pを応援する意味合いを込めて当記事をこしらえました。
渡鬼音楽の生演奏に一喜一憂
オーケストラによる渡鬼音楽の生演奏ではじまったオープニング。
これは凄く良かったです。
なぜかと言えば、どのような楽器を使っているのかがよくわかったので。
ただ、残念だったのはショートバージョンですぐに演奏が終わってしまったこと。
あれだけの奏者を集めたのにフル演奏でなかったのは非常にもったいなかった印象。
是非、NHKも同様に『おしん』で試みていただきたい。
絶品のナレーション
渡鬼音楽に続いて、『99年の愛 ~
石坂浩二さんのナレーションによるイントロダクション。
語り口調が温かくて優しくて、やはり涙を誘われました。
本当に上手すぎる。絶品。
一人でどこにいくのよ
番組を通して石井ふく子Pが直に追悼コメントを読み上げるサプライズ。
手紙の冒頭の部分で、石井Pの悲痛が渡隅の涙腺に大きな刺激を与えたことで。
最初から涙なくしては観られなくなりました。
石井ふく子Pの淋しさは計り知れない。
だって、六十年の歳月ですから。
決して尋常の悲しみではありません。
二大巨頭が当たり前のように肩を並べて渡鬼の記者会見に臨んでいたあの日。
橋田先生はワンピース、そして石井Pは地味目の御召し物。
お決まりのファッションでそろい踏みだったのが今となっては懐かしい。
ご高齢の石井Pが瞬時に熱海まで足を運ぶのは難しかったはず。
ご自分を責めないで下さい。
橋田先生がこの世を去ったことについて、いまだに半信半疑。
淋しいです。
泉ピン子さんのお話では、苦しむことなく安らかに逝かれたご様子。
それだけが救い。安楽死を選ぶ権利について主張されていた橋田先生ですから。
お二人にとっては本当によい時代でした。
羨ましい限りです。
きっと、橋田先生も同じように思っていたはず。
お二人のドラマをもっと作らせてあげたかった。
盟友・石井Pから橋田先生への手紙でした。
気丈のイメージがあった石井Pでしたが。
独り残された石井Pが弱弱しくて不憫でなりません。
凄く可哀そうだし、とても心配になりました。
悲しみで塞ぎこまないためにも。
舞台でもドラマでも何でもよいので。
兎に角、石井Pにはお仕事に没頭することで吹っ切っていただきたい。
そして、渡鬼を通して橋田先生の送別会をプロデュースしていただきたい。
素敵の盟友関係が醸し出した笑顔のハーモニー
製作著作の表記を旧ロゴで
番組の最後には、昭和時代からTBSに大きく貢献された橋田先生の功績を称えるかのように。
制作者の遊び心が製作著作の表記で表現されました。
感謝
TBSと相思相愛だった橋田壽賀子先生の追悼番組。
また一つ、永久保存版が増えました。
素敵な番組をありがとう。
そして石井ふく子プロデューサーには、元気な高齢者として「生涯現役」を続けていただきたいと切に願います。
橋田先生、安らかに
追記:婦人公論の取材に応じた石井P
当記事を書き終えた令和3年4月13日。
石井ふく子プロデューサーを取材した婦人公論の記事が公開されました。
石井Pの近況を察する上でも気になりましたので追記します。
【新着記事】
「「渡鬼」が始まったのが90年。まさかこんなに長く続くとは思いませんでした。今年放送する分もすでに構想が進んでいて…」
〈 #石井ふく子 Pが初めて明かす「故・ #橋田寿賀子 さんが構想したコロナ下の『#渡鬼』。内容は…」〉 https://t.co/WS7s85PLVU #婦人公論
— 婦人公論 (@fujinkoron) April 12, 2021
橋田壽賀子先生の具合が良くないことを知った2月中旬頃から逝去されるまでのご様子、お二人で構想を進めていた渡鬼新作の導入場面やエンディング等について、取材を通して石井ふく子Pが明らかにしました。
特に記事の中で気になった石井Pのコメントはこちら。
お骨は愛媛・今治にあるご両親のお墓に入るそうなので、私は分骨をお願いしています。橋田さんが長らく暮らし、愛していた熱海に碑を作りたいからです。橋田文化財団は継続してねと言われていたので、いろいろな方とご相談して運営していくつもりです。
熱海に橋田先生の記念碑づくり、そして橋田文化財団の継続・運営にも石井Pが尽力される意向。
それは、盟友の死後事務などに関わることで悲しみを吹っ切って魅せそうな石井Pの兆し。
まだまだ塞ぎ込むには全然早いです。
やはり、石井Pの今後のご活躍に乞うご期待なわけです。
きっと、天国からエールを送ってくださっているはずですよ
千の風になって
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