渡鬼などでお馴染みの脚本家と言えば橋田壽賀子先生。そんな橋田先生が「安楽死で死にたい」と公言されたわけで。これはただ事ではありませんし、渡鬼好きとしては非常に橋田先生のご健康が気になるわけです。
そこで、2017年10月にNHKで放送された「クローズアップ現代+」の記事を検証しながら、渡る世間の終活などについて考えていきたいと思います。
橋田先生はとにかくすごい!
まずは橋田壽賀子先生の作品の中から、渡隅が観たものをご紹介します。
橋田先生は何でも書ける脚本家!只々、すごい。
これからも元気に作品の執筆を続けてほしいです。
橋田先生の作品との最初の出会いと言えば、実はNHK大河ドラマ『おんな太閤記』。
ところが、子どもであった渡隅には橋田先生の『おんな太閤記』に興味がわかず。
そういった意味では、大ヒットしたNHK連続テレビ小説『おしん』(少女編)が、最初に興味をもった橋田先生の作品なわけです。
第二次世界大戦時の日系移民家族を描いたスペシャルドラマ。さりげなく好きな作品で、テレビ放送を録画済み。時間があればまた観たいです。
石井ふく子先生が演出したとにかく凄い舞台。
言わずと知れた渡鬼。橋田先生お一人で27年間も執筆!只々、すごい。
ちなみに、2017年渡鬼3時間スペシャル。藤田朋子さんが演じた本間長子に注目してスピンオフっぽく記事を書いてみました。
このセリフからも、橋田先生から安楽死に関するメッセージが発信されているわけです。
それでは次項では実際に「クローズアップ現代+」の記事を検証してみたいと思います。
「橋田壽賀子 92歳の“安楽死宣言”」の理由とは?
NHKクローズアップ現代+「橋田壽賀子 92歳の“安楽死宣言”」については、公式サイトの記事をご確認ください。
とにかく「迷惑をかけたくない」
日本では認められていない安楽死。それでも橋田先生が安楽死を宣言した理由とは?
終末医療がどんどん完備されても、それで生かされて、どれだけ幸せなのかな。線引きが難しいですよね。もう私は年寄りだし、することもありませんし、天涯孤独ですし、死なせてくださいって言ったら、ああ、いいよって言ってくださる法律があったら、それは安楽死だなと思ったんですね。
出典:クローズアップ現代+「橋田壽賀子 92歳の“安楽死宣言”」
認知機能がしっかりとしている大半の後期高齢者が、橋田先生のお考えにおそらく同調すると思います。「寝たきり」等になった場合、どうしても介護が必要になるわけで。ご本人としては他者に介護で負担をかけたくないわけです。
逆に、アルツハイマー型認知症等で脳機能障害が起こってしまうと、正常な意思決定が難しくなるのは言うまでもありません。
橋田先生のおっしゃる通り、やはり線引きが難しいですね。
安楽死と尊厳死の違い
ここで注意しなければならないのが、安楽死と尊厳死の違いです。この点については「日本尊厳死協会」公式サイトをご参考ください。
尊厳死は、延命措置を断わって自然死を迎えることです。これに対し、安楽死は、医師など第三者が薬物などを使って患者の死期を積極的に早めることです。どちらも「不治で末期」「本人の意思による」という共通項はありますが、「命を積極的に断つ行為」の有無が決定的に違います。協会は安楽死を認めていません。
出典:Q&A | 日本尊厳死協会
上記の引用をさらに要約すると。
日本の場合、医師による自殺ほう助(安楽死)が違法であると考えられています。
スイスでは自殺ほう助が認められている(条件あり)
安楽死の手法の1つ、自殺ほう助が認められている数少ない国の1つ、スイス。スイスでは、刑法の解釈で利己的な動機によらない自殺ほう助が可能となっている。
(中略)
タイマーで人工呼吸器のスイッチが切れるようセットしたあと、医師が処方した睡眠薬を大量に飲み干す。男性は5分ほどで深い眠りにつき、その後、息を引き取った。
出典:クローズアップ現代+「橋田壽賀子 92歳の“安楽死宣言”」
スイスでは、厳しい要件をクリアすれば安楽死が可能となるみたいです。
対して、日本では違法と考えられている安楽死。
橋田先生の場合、選択として安楽死を選べないことが不安なようです。
ただ、世の中には安楽死を求める声もあれば、そうでない声もあるわけで。
そこが2017年の時点において、違法になっている大きな理由かも。
母方の祖母の場合
渡隅の母方の祖母は、2013年に自室で静かに息を引き取りました。何事もなく生活していた祖母が突然旅立ってしまったのです。俗に言う「ぽっくり」逝ったわけです。
亡くなった直後、涙は出ませんでした。もちろん、悲しいことは言うまでもありません。ただ、苦しまずに最期を迎えた様子を聞いて率直に安堵しました。祖母も90歳をこえていましたから。むしろ、苦しむ祖母を目の当たりにする方がつらくて涙が出ると思います。
まとめ
橋田壽賀子先生から問題提起された「安楽死」。
やはり難しい問題でした。
死と向き合うことで、今を精いっぱい生きること。
このことが終活の肝なのかもしれません。