NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十九回「三木城攻略」で、石濱朗さんが扮した明智光秀の特集です。
第十九回「三木城攻略」の概要
明智光秀は丹波の八上城を落とすため、母親を人質に差し出して和睦を申し入れますが、信長は八上城主をはりつけにしたため、光秀の元に母親の首が送られます。その後、荒木村重が落ち、黒田官兵衛が1年近い幽閉から救出されると、息子の松寿丸に会いたいと願い出ます。信長は動揺しますが、ねねの機転で生き延びた松寿丸が現れます。秀吉は兵糧攻めで三木城を落とします。城内では侍女のしのがなんとか生き残っていました。
明日は誰を敵にし味方にするか
信長から殺せと命じられた人質、黒田官兵衛の子、松壽丸を、信長の命に背き、ねねが密かに尾張中村在の寺へ匿ってから一月が過ぎていた(語り)
明日は坂本へおいでなさいますとか(進之介)
秀吉殿の御名代として御祝いに参上せねばならぬ。まあ、このような時に気の重い御役目じゃ。(ねね)
橋田先生が、ねねと光秀を接触させたかったみたい
翌日、ねねは細川忠興に輿入れをする光秀の娘、おたまの祝いに坂本城を訪れた(語り)
いや、筑前殿よりわざわざ。また、見事な祝いの品の数々、有難く頂戴仕ります。娘のたまにございます。(光秀)
光秀の娘故に、悲劇のヒロインが新たに誕生します
筑前の女房にございます。この度の御婚儀、心から御喜び申し上げます。(ねね)
母にございます(光秀)
光秀の母にございます(光秀の母)
橋田先生、そのまんまだよ(笑)なんか気の利いたセリフの一つでも言わせてあげればよかったのに
筑前殿も、母上ご健在の由、長浜におられますのか?(光秀)
はい。時折、中村の畑が恋しいとそちらの方に。(ねね)
こんな大名のおっ母様も珍しいと思うよね(笑)
筑前殿は孝行息子でおじゃるそうな(光秀)
はい。母には頭が上がりませぬ。(ねね)
いや、筑前はおっ母様に頭が上がらないと見せかけているだけにしか見えない
あの筑前殿がのう(笑)ねね殿には昔、御目にかかっておる。あの頃と少しも御変わりにならぬのう。覚えておいでか?(光秀)
はい。上様が美濃の立政寺(りっしょうじ)へ足利義昭様をお迎え遊ばされた時、接待役を仰せつかりまして、おまつ様と共に。(ねね)
このことね
光秀に酌してたのは、おまつだったね。懐かしい。
そうじゃ。もう何年になるかのう。人の定めというものは分からぬものよ。あの時、義昭様を信長様に御引き合わせした細川藤孝殿と儂が、今日、信長様にお仕えし、義昭様は毛利につかれておる。明日は誰を敵にし味方にするか。乱世とは疎ましいものよのう、ねね殿。(光秀)
はい、橋田先生による史実的伏線が入りました!
ということで、光秀が信長を敵にして謀反に走る定めを予告したかったみたい
相棒の藤孝は出番がなくなっちゃったね
見せしめじゃ!
天正六年秋、明智光秀は信長の命により、播磨と北を接している丹波を攻めていた。が、丹波の豪族、波多野氏の八上城をなかなか落とすことができず、城を包囲したまま、翌天正七年五月を迎えていた。業を煮やした信長は、秀吉の弟、秀長を援軍として送った。焦った光秀は自分の母を人質として八上城に送り、八上城に立て籠もる波多野氏の三人の兄弟を誘い出し、安土に送って信長に和睦を申し入れさせた。(語り)
ならぬ!即刻、磔の刑に処せ!(信長)
そりゃ酷いよ
なんと仰せられます!波多野三兄弟は光秀殿が母上を人質になされ、和睦を条件に安土に参ったものでございます。(信長の側近)
これじゃ、波多野三兄弟だって可哀そう。もう少し、光秀が事前に根回しとか済ませておけば。もしかしたら、信長の厚情に心打たれて、波多野氏が織田家の忠臣になったかもしれないのに。
ならぬと言うたら、ならぬ!(信長)
しかし(信長の側近)
側近も何とか信長を説得しろよ
光秀のやりようも許せん!母を人質に敵をおびき出すなど、武士の風上にも置けぬ卑怯な小細工。見せしめじゃ!(信長)
確かに信長の言い分も然りだけど。このケースで実母を人質に出したのは浅はかだったかも。ほかの人ならともかく、相手は信長だから。
見せしめが強すぎると逆効果になるよね
おのれ信長め!
波多野殿を磔に!まことか!(光秀)
無残な御最期にございました!(使者)
光秀的には目の前が真っ白
猶予はなりません。直ちに八上城を!光秀殿の母御は人質として城内におられるではないか!(秀長)
信長様が波多野三兄弟を討たれたと知ったら人質の命はない!一時も早う!光秀殿。光秀殿!(秀長)
光秀の陣中に秀長がいるのが妙だよね(笑)橋田壽賀子作品故に
申し上げます!只今、八上城よりこれを(光秀の近習)
首桶とか、勘弁して。中に入っているのは光秀の。。。
母上。母上!御許しくだされ!光秀は大逆人じゃ。母上をこのようなことに。儂が手にかけたも同然じゃ。おのれ信長め!光秀が母を人質にまでしておることを承知で!人間ではないわ!お辛うございましたろう。母上の御無念、必ず、必ずお晴らしいたします。光秀とて無念にござります。(光秀)
もう完全に信長への謀反とか、公約に掲げちゃったし
実の親の生首とか見ちゃったら。トラウマ必須だろうね。光秀の尋常でない心痛は察するけど。
儂は焦らぬぞ
光秀親子の不幸は、ねねの心を凍らせた。ねねは母をも犠牲にしなければならない乱世を憎んだ。(語り)
これが本当に史実通りなら。他の配下に与えた衝撃は大きかったかと。多かれ少なかれ、信長の求心力は下がったね。
光秀殿も功を急がれたのよのう。儂は焦らぬぞ。力で戦うばかりが戦ではない。じっくりと時を待つ。(秀吉)
ねねに比して、秀吉は至って他人事。なんか人間らしくないんだよね。
第二十一回「本能寺の変」に続く
哀悼 石濱朗さん
哀悼 石濱朗さん
画像:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第七回「上洛への道」 pic.twitter.com/OIJIafxC3d
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) July 27, 2022
週刊おんな太閤記随想、第十九回「三木城攻略」
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