NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第二回「足軽大将」における橋田壽賀子脚本らしかった部分をあれこれと随想します。
第二回「足軽女房」の概要
NHKオンデマンドの場合
ねねと藤吉郎との新婚生活が始まりました。藤吉郎は足軽組頭でしたが、持ち前の才能を発揮して、薪(まき)係、台所係を務めた後、足軽大将に取り立てられます。新しい屋敷を与えられ、隣の屋敷には前田犬千代とまつが住み親交も深まります。ねねは、体を使うことは苦になりませんが、藤吉郎の突拍子もない行動と貧乏には苦労します。ある日、藤吉郎は清洲城の塀(へい)を3日で修理すると信長に大見得を切ってしまいます。
週刊おんな太閤記随想、第二回「足軽女房」
第二回「足軽女房」について、渡隅版のまとめ記事
気にならない道理がない橋田壽賀子脚本
どちらかと言えば、演者というよりも、脚本の要素が強い点をピックアップしてみました。
すなわち、橋田壽賀子脚本の醍醐味に注目します。
袋を渡せば
藤吉郎がおかかに銭を預けた「袋を渡せば」の一幕。ちなみに「袋を渡せば」と言えば、橋田壽賀子先生の東芝日曜劇場脚本家デビュー作でしたね。#おんな太閤記 第二回
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 9, 2022
何とか、給料袋さえ渡してやれば。ある程度のことは、おかかに許してもらえる的な藤吉郎が何となく表現されていましたからね。
男女の営みなし
そう言えば。結局、橋田先生は藤吉郎とねねの初夜を表現しなかったね。他方、おしんでは奉公人の百合を夜這いした仁の動きが初子に気づかれるところまで、しっかりと表現されていたのに。#おんな太閤記 第二回
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第一回で初夜が表現されることなく。第二回ではアツアツの夫婦を表現しつつも、男女の営みがありました的な表現はなく。
当時としては、NHKの空気とかを読んだ結果でしょうかね。
「ねねが子どもをこさえることができなかったのは、藤吉郎との男女の営みが少なかったから?」とか、勝手な考えまでも浮かんできてしまうものです。
それにしても、後のNHKおしんに関しては、夜這いまでしっかりと表現されていましたからね(笑)
初子に感づかれていた仁と百合の情事
昭和のホームドラマで脚光を浴びた住み込みのお手伝いさん。当然の如く、配慮を怠れば情事の的になることを作者が知らしめた一幕にも。#仁と百合 #おしん抱擁 #おしん情事 #おしん昼ドラ #おしんサスペンス #初子初
画像:NHK『#おしん』第238回 pic.twitter.com/eU47TihC6X— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) January 13, 2020
ほんと、初子に扮した田中好子さんの目がサスペンスしてましたね(笑)
劇伴が後押し
しきたりをぶっ壊そうとする薪係の藤吉郎を劇伴が後押し🎵#おんな太閤記 第二回
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藤吉郎の所業を肯定する劇伴の役割が鮮明過ぎて(笑)
愛を語るのも十八番
「この世の者が敵にまわっても、おかかは儂の味方じゃ」とか。どこかの流行歌手が唄ってそうな台詞を藤吉郎に表現させるよね。橋田先生ったら(笑)#おんな太閤記 第二回
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橋田先生って、東芝日曜劇場の脚本では愛ばかり語っていましたからね。
舞台さながら
「おかかー!おかかー!」などと。大騒ぎで屋敷に駆け込んだ藤吉郎と入れ替わりで。「お城で何か!」と屋敷から飛び出した、ねね。このあたりの追いかけっこは舞台さながら(笑)#おんな太閤記 第二回
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おしんに比して、こうした点も『おんな太閤記』ならではかも。
橋田先生に関しては、舞台脚本も絶品でしたから。
おかか自慢がしつこい
藤吉郎の「どうじゃー、ええおかかじゃろー?」とか。橋田先生、おかか自慢がしつこい(笑)#おんな太閤記 第二回
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おかかに扮した佐久間良子さんも気分よく演じることができたでしょうね。
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