NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第十九回「三木城攻略」で、田中好子さんが扮した、しのの特集です。
第十九回「三木城攻略」の概要
明智光秀は丹波の八上城を落とすため、母親を人質に差し出して和睦を申し入れますが、信長は八上城主をはりつけにしたため、光秀の元に母親の首が送られます。その後、荒木村重が落ち、黒田官兵衛が1年近い幽閉から救出されると、息子の松寿丸に会いたいと願い出ます。信長は動揺しますが、ねねの機転で生き延びた松寿丸が現れます。秀吉は兵糧攻めで三木城を落とします。城内では侍女のしのがなんとか生き残っていました。
田中好子さんと中村雅俊さんのクレジットタイトル
そなた目が見えんのか?
それから二日後、長治は自害して果て、一年余りをかけた三木城攻めの幕は閉じられた。天正八年正月十七日のことである。(語り)
死臭漂う城内の一間に、しのの姿が!
大丈夫か?大丈夫か?(秀長)
触るな!(しの)
そなた!(秀長)
秀長、しのを発見!
触るな!たとえ敗れたとて羽柴の手勢のほしいままにはされぬ!手荒なまねをしたら舌を嚙み切るまでじゃ!触るな!(しの)
いつの時代だって、負けた国の女子が狼藉の対象となる。しのは戦争の現実をわかっていた。
舌を噛み切って死ねるかどうかは別の話として
儂じゃ、秀長じゃ。しの殿!案じておった。無事で何よりじゃった。(秀長)
秀長様?(しの)
やっと秀長に気づいた!しのの様子が明らかに以前とは異なる
しの殿!そなた、そなた目が見えんのか?(秀長)
目が見えなくなった詳しい説明がほしい
秀長などという御人は存じませぬ(しの)
しの殿!(秀長)
御人違いでございましょう!(しの)
しの殿!(秀長)
しの殿、どうしたのじゃ?(秀長)
いいえ、知らぬ!(しの)
しの殿!(秀長)
秀長殿、何をしておられる!女子への狼藉(ろうぜき)は御法度!破れば打ち首でござるぞ!(小六)
織田軍がしっかりと規律によって統率されていたことが表現されました
戦国時代、負けた国の女子を手籠めにするのが当たり前だった戦国大名家もあったみたい。どこの家とは記しませんが。
しの殿は儂が妻にと心を決めた御方じゃ!やっと巡り会うたのよ。(秀長)
しっかりと小六に釈明しておかないとね
いいえ、知らぬ!(しの)
しの殿!(秀長)
秀長様とは縁のない御方じゃ!(しの)
それじゃ、秀長が打ち首になってしまう(笑)
秀長が三木城で愛を叫ぶ!
しの殿!しの殿!しの殿!そなたが儂らを恨みに思うのはよう分かる!儂らの為に多くの者が飢えに倒れてるのをそなたは見てきたのであろう!そなたの目とて、儂らの惨い戦のせいじゃ!儂を恨みに思うのもよう分かる。(秀長)
いいえ。戦は乱世の定め。秀長様と敵味方にならねばならなかったのも、やはり定めでございます。どなたも御恨み申してはおりませぬ!(しの)
ならば、ならば!(秀吉)
私は、秀長様の奥方になどなれるような女子ではございませぬ(しの)
しの殿!(秀長)
私は、秀吉様に盾ついた別所長治様にお仕えしていた者。その上、私のような女子がどうして!(しの)
そのようなことは何の障りにもならんわ!もう戦は終わった!もう敵も味方もありはせぬ!儂がそばにおる。儂が目となり杖となる。そのための夫婦(めおと)ではないか!(秀長)
この手のテーマは橋田先生が好きなんだよね。東芝日曜劇場でも何かと書いてるから。
実際は大変だと思うけど、侍女が頑張ってくれると思う
私の為と思って、お忘れくださいまし!(しの)
しのバージョンの「まし」
しの殿!儂は、儂はそなたに、そばに居てほしい。そなたの優しさが欲しいのじゃ!しの殿!そなたのほかに儂の心を慰めてくれる者はおらん。儂にとってそなたはそういう女子じゃ!今まで巡り会うた、たった一人の女子よ!人の幸せとは、生涯、心を温め合うて暮らしていく者がそばに居てくれることじゃ。儂はほかに何も望まん。それだけが欲しい!しの殿、儂のそばに居てくれ。(秀長)
秀長様(しの)
橋田先生が秀長を通して「オンリーワン」を叫んで止まない
橋田先生の場合は「慰め」って言葉も多いよね
秀長はどんなことが辛いの?どんなことを、しのに慰めてほしいの?
妻に迎える所存
小六殿に聞いたがのう、お主、まさか本気であの女子と(秀吉)
はい。妻に迎える所存にあります。(秀長)
戯け!お主は既に但馬の出石城(いずしじょう)を預かる一国一城の主ぞ。そのような女子と。己の立場をよう考えてみい!(秀吉)
秀長も出世したよね
どうでもよいけど、嘉助と弥助も出世できるとよいね
ならば城など要りませぬ。迷惑じゃ!いざとなれば侍を捨てて中村に去(い)にまする。それなら誰を娶ろうと御異存はありますまい。(秀長)
秀吉ファミリーは中村に去ぬりたがる(笑)
小一郎!(秀吉)
しの殿には指一本触れさせはしません。もし手をかけるようなことがあれば兄者とて容赦はしません!(秀長)
前回あたりから橋田先生のマイブーム的な台詞
この手の台詞も、令和の世では死んじゃった様相にも
ならぬと言うたらならぬわー!(秀吉)
秀吉、もうあきらめろって
週刊おんな太閤記随想、第十九回「三木城攻略」
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