NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第二十一回「本能寺の変」のクレジットタイトルをご紹介した上で、気になったことをあれこれと随想したいと思います。
第二十一回「本能寺の変」の概要
天正10年(1582)6月2日早朝、織田信長は明智光秀の謀反により、本能寺で命を落とします。秀吉が備中・高松城を水攻めにしていたころ、長浜で留守を預かるねねに、光秀謀反の一報が届きます。ねねは危険を感じて、一族を連れて山中の寺へ逃れる途中、浅井の残党に襲われます。ねねは義姉のともを助けるため、初めて人を殺しました。秀吉は光秀の使者を捕らえて、持っていた密書から信長の死を知り、急いで京へ戻ります。
クレジットタイトルの全貌
第二十一回「本能寺の変」は、無論、光秀の謀反によって信長が討たれるという波乱の回。というわけで、クレジットタイトルについても、これまでとは一味違った波乱の編成となりました。
やや役・浅茅陽子さんが三枚目から外れて五枚目に下がる!
これに関して思いつくことと言えば、やはり本能寺の変というイベント回ということで、クレジットタイトル上でも制作サイドが視聴者に何処となくインパクトを与えたかっただけかも(笑)
というのも、長政に関しては、高松城を水攻めにしていた秀吉の陣中に存在し、光秀の謀反を知ることにはなりましたが、大きな魅せ場は特段なし。
な、何かの間違いではありません(笑)浅野長政役・尾藤イサオさんは確かにクレジットタイトルの三枚目でした。
また、嘉助に関しては、森弥五六とともに、光秀から毛利宛ての密書を所持していた密使を捕らえて秀吉に報告。
確かに物語を展開させる一幕に登場はしましたが、やや役・浅茅陽子を五枚目に下げてまで嘉助役・せんだみつおさんが四枚目になる根拠としては幾分弱い印象。
他方、やや役・浅茅陽子さんに関しては、姉・ねねと大吉寺で合流後、登場時間・台詞ともに、そこそこキープ。
本来であれば、やや役・浅茅陽子さんがクレジットタイトルの三枚目でも全然問題なかった様相にも。
兎に角、本能寺の変の波乱はクレジットタイトルにも影響したということで。
光秀役・石濱朗さんが初の単独で中G入り!
まさに本能寺の変シフトですね。この回も光秀役・石濱朗さんが連名Gだったら非常に白けますから(笑)
光秀役・石濱朗さんが単独クレジットになっただけでも安堵した次第でしたが。
中Gで信長と光秀が隣り合わせになった粋な計らいが光りましたね。
さらに、光秀の娘・おたま役の岡まゆみさんも中Gに名を連ねたことで。信長vs明智父子で固めた中Gが素敵でした。
とも役・長山藍子さんが初のトメG入り!
これまでは中Gに編成されることが多かった、とも役・長山藍子さんが初めてトメGに入りました。
これはこれで中Gの編成を邪魔しない意味で、非常に有効な一手だった制作サイドを誉めてあげたいですね。中Gは信長vs明智父子でいいじゃん、みたいな。
トメGが初の五人組に!
これまでのトメGは三人組か四人組が通例でしたからね。本能寺の変のイベント回ということで、とも役・長山藍子さんが中Gに入れなくなったことから、特別席が用意されたトメGが五人組となった様相にも。
トメG内の順位も申し分なし。やはり、当時の役者としての格が考慮された様相。ポイントはトメG三枚目の、あさひ役・泉ピン子さんでしょうね。これがトメG二枚目もしくは四枚目だとしたら、当時の実力的には違和感が生じるかも。
ちなみに、秀吉役・西田敏行さんを除いたトメGの四人が渡鬼出演者というのも、後の世的には、さりげなく美味。
連名Gにも波乱が!
本能寺の変というイベント回ということに起因してか、連名グループの前半と後半の編成にも乱れが生じた様相です。
連名グループ(前半)
特に注目したいのは、一番最後の老臣と武士の連名。通例であれば連名Gの後半が妥当。
連名グループ(後半)
逆に、黒田官兵衛役・菅野忠彦(現・菅野菜保之)さんから、はる役・八木昌子さんまでの四名に関しては、連名Gの前半に編成されてもよかったような。
通例であれば、連名Gに関しても役の重要度や役者としての格が高い順に編成されて、中Gが入ることで前半と後半に分断されているのがNHKおんな太閤記クレジットタイトルの道理。
じゃがのう、今回に関してはバラバラ(笑)特に、上述した武士の連名あたりは後半Gの方が通例であれば妥当です。
などなど、細かくつっこめばきりがないのですが。中Gがきれいに決まっていただけに、連名Gの乱れが残念でしたね。
次回に続く
クレジットタイトルツイート
NHK #おんな太閤記 第二十一回「本能寺の変」
作:橋田壽賀子
音楽:坂田晃一※中略
出演
1佐久間良子 2中村雅俊 3尾藤イサオ 4せんだみつお 5浅茅陽子
連名G
中G:1藤岡弘 2石濱朗 3岡まゆみ
連名G
トメG:1赤木春恵 2長山藍子 3泉ピン子 4前田吟 5西田敏行※後略#おんな太閤記クレジット pic.twitter.com/lT30oSQ9ME
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) August 20, 2022
週刊おんな太閤記随想、第二十一回「本能寺の変」