2022年4月からNHK BSプレミアム・BS4Kにて再放送がスタートした橋田壽賀子作品の大河ドラマ『おんな太閤記』。そこには橋田・石井ファミリーでお馴染みの顔、長山藍子さんも秀吉の姉・とも役で出演されていました。
というわけで、第七回「上洛への道」で長山藍子さんが扮した、ともに注目してみました。
第七回「上洛への道」の概要
NHKオンデマンドの場合
信長は念願の美濃を手に入れ、岐阜と改めます。秀吉はねねと岐阜へ移り、弟・小一郎に加えて、姉・ともの夫・弥助と妹・きいの夫・嘉助を家来にします。しかし、武士の生活が嫌いな母のなかは岐阜へは来ません。しばらくして、姉のともが長男・孫七郎(秀次)を産みます。ある日、将軍・足利義昭を美濃に迎えるための接待役に、ねねとまつに白羽の矢が立ちます。いよいよ、信長上洛(じょうらく)の日が近づいてきました。
長山藍子さんのクレジットタイトル
ピサの斜塔と化した、とも役・長山藍子さんのクレジットタイトル(笑)失礼でない道理がない。
ねねさの御厄介に
永禄十年八月。稲葉山井ノ口城を陥れ、念願の美濃を手中に収めた信長は、直ちに井ノ口を岐阜と改めて居城を小牧山から岐阜へ移した。また引っ越しである。(語り)
夫の弥助が弟・秀吉の配下になったということで。小牧山から美濃に引っ越してきた弟夫婦の御厄介になることに成功した、とも。引っ越し先の屋敷から姿を現した一幕。そして、ねねと談笑していた、まつに対して深々と一礼。
まつの姿を捉えて、その場に佇んだ、ともの面相一つひとつが何だかドラマチック(笑)
首(こうべ)の垂れ方が深々過ぎて、画面から姿を消した、とも(笑)決して、地面に落ちていた銭を拾おうとしていたわけでもなかろうに。
舅や姑から逃げることができてよかったね(笑)っていうか、本当によかったのかな。中村で舅や姑に怒鳴られながら、中村で百姓をしていた方が果報だったかもね。
秀吉殿の姉上、とも様でございます(ねね)
前田利家様の御内室、おまつ様でございます(ねね)
まつとともの間に入った、ねねが無難に双方を紹介。それに応えるかのように、お互いに礼を重んじた、まつととも。
まつの方からすると、内心は「百姓だったんでしょ」みたいな感じで、とものことを思っちゃったかもしれないけど。まさか、ともが天下人の姉様になるなんてね。誰に対しても、礼儀正しく首(こうべ)を垂れておいた方が無難という教訓にも。
お噂はよう。こちらでご一緒にお住まいでございますか?(まつ)
只今は、とも様の旦那様も御出陣中。しばらくあたくしどもで。(ねね)
どんな御噂だか、気になる
「儂は世間体を気にしておじゃる。下手のことを申したらわかっておろう、の」とか言わんばかりだった、ともの目が(笑)
ねねさに厄介になっております(とも)
ともの語り口調が尾張の中村産(笑)
まつととも、双方が社交辞令を終えて
とものつわり
ともを襲った、つわりを表現した長山藍子さんのパフォーマンス。おんなの吐き気がひしひしと画面を通して伝わってきますね。
そして屋敷の塀に向かってダッシュ!まつとねねも、ともの異変に気付きましたね。
うっ!(とも)
どうなされましたか?(ねね)
あ、しょ、暑気あたりじゃ。大事ない。気遣うてくださるな。(とも)
御疲れが出たのでしょう。あとは、わたくしどもで致します。お休みなされませ。(ねね)
すぐ、御床を延べましょう(あさ)
体内から口外に向かってこみ上げてくるような逆流が生々しく表現された、うっ!
橋田先生が、女子(おなご)のつわりを丁寧に表現した一幕。ともに扮した長山藍子さんのパフォーマンスは見応えがありましたね。
おあさが延べてくれた御床の上で天を仰いでますね。落ち着いたみたい
ともの魂が体内から離脱しそうな様相にも(笑)
さあ(ねね)
病人ではない。どうぞ構うてくださるな。(とも)
大事な御身体です。少しでも召し上がってくだされ。(ねね)
なんだかんだ言ったっても。ともは、構ってちゃん(笑)
こうした小姑を気づかう、ねねのことをしっかりとやきつけておきましょうね
おかかあ!戻ったぞ!(秀吉)
秀吉殿じゃ!(ねね)
ああ、ではうちの人も(とも)
ともの旦那・弥助もしっかりと命を拾ってきたみたい
御荷物だって気を遣う
と、とも!、ど、どうした?どこさ悪いのか?(弥助)
お帰りなさいませ。ふせっておりましたので、お迎えにも出ませんで。(とも)
いやいや、か、顔色がようない。さ、寝てた方がいい、な。(弥助)
ご案じなさいますな。すぐにようなられます。(ねね)
引越しで無理をしたのではないのか?世話になっておれば、人一倍気も遣うじゃろう。.かわいそうにのう。(弥助)
ややがおできになったんじゃ(ねね)
弥助、空気を読め!
ねねの方が人一倍、ともに気を遣うておる!
でも、弥助の言い分も然り。御荷物というか居候が何かと気を遣うのも道理
姉さ、よかったのう!是非とも男の子をのう。立派な男の子をお願いしますぞ。さすれば儂にとっても初めての甥。心強い限りじゃ(笑、秀吉)
そうじゃそうじゃ。姉様御一人の御身体ではないぞ。生まれてくる子供は我ら一門の子じゃ。我ら一門の将来を担う立派な子じゃ!(秀吉)
立派アピールによる史実的伏線にしか
持ち上げて持ち上げて一気に。橋田先生の術中を見透かさない道理がない
秀次の誕生
秀吉の言葉通り、信長は京へ上り天下に号令する日の来るのを虎視眈々と狙っていた。岐阜移城と同時に桑名を下したのを手始めに、翌十一年には、北伊勢八郡を手にした。近江の浅井長政には既にお市を嫁がせて姻戚関係にある。京への道は徐々に開かれつつあった。そこへ、信長にとっては願ってもない幸運が舞い込んできたのである。それは、足利義昭という男であった。そして同じ頃、ともは無事に男の子を産んでいた。孫七郎。後の関白、秀次である。(語り)
(笑)ねねさは本当に子供が好きなような。ねねさんも早う、御自分の御子を抱けるようにおなりなされ。(とも)
間違いなく、ねねが男子を産んでくれた方が、ともは果報だった
どれ、来るか?あ、来るか?これこれ。おっ、こやつ、儂が抱こうとすると顔を背けるのう(笑、秀吉)
御前が救いようのない戯け者だってことが、やや子でもわかるのかもね。当事者だったらさ。
なあ、この子は果報者じゃ。みんなにかわいがってもろうて。なあ、ねねさに御子ができるまでのことじゃろうが。(とも)
だから。橋田先生が罪の御人だってことは重々承知している。兎に角、史実通して、女子(おなご)の悲喜こもごもを描きたいのが橋田先生の所以。
皆様無事に、御勤めに励んでおられるそうな(ねね)
私は字が読めぬが、藤吉郎は随分と文字が上手うなったように見える(とも)
京では堅苦しいことばかりで気苦労が多いと書いておられます。勝手の分らぬことが多いのでございましょう。文字も習っておられるとか。大変な御勤めで御気の毒なことじゃ。(ねね)
この情景からも。橋田先生は意地悪の小姑を、ともに要求していない様相
ともとねね、仲睦まじうて何より
第六回、ともに記すツイート
ともが、まつの姿に気づいてから首(こうべ)を垂れる直前まで。さりげなくドラマチックの気配を漂わせていた、長山藍子さんの間(ま)。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第七回「上洛への道」#ともに記す pic.twitter.com/xcvpd7Ei74
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 23, 2022
つわりのため。おあさが延べてくれた御床で一休みしていた、とも。見方によっては、幽体離脱が心配された一幕。
演者は、長山藍子さん。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第七回「上洛への道」#おんな太閤記クレジット #ともに記す pic.twitter.com/X8JV87jDTG
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 23, 2022
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