2022年4月からNHK BSプレミアム・BS4Kにて再放送がスタートした橋田壽賀子作品の大河ドラマ『おんな太閤記』。そこには橋田・石井ファミリーでお馴染みの顔、長山藍子さんも秀吉の姉・とも役で出演されていました。
というわけで、第二回「足軽女房」で長山藍子さんが扮した、ともに注目してみました。
第二回「足軽女房」の概要
NHKオンデマンドの場合
ねねと藤吉郎との新婚生活が始まりました。藤吉郎は足軽組頭でしたが、持ち前の才能を発揮して、薪(まき)係、台所係を務めた後、足軽大将に取り立てられます。新しい屋敷を与えられ、隣の屋敷には前田犬千代とまつが住み親交も深まります。ねねは、体を使うことは苦になりませんが、藤吉郎の突拍子もない行動と貧乏には苦労します。ある日、藤吉郎は清洲城の塀(へい)を3日で修理すると信長に大見得を切ってしまいます。
おんな太閤記随想、第二回「足軽女房」
渡隅が第二回の視聴を経て、あれやこれやと随想した記事
長山藍子さんのクレジットタイトル
弥助
弟の小一郎に案内されて。夫の弥助を伴って。
足軽大将に出世した藤吉郎とねねの屋敷に姿を現した、とも。
無論、弥助とはいっても、信長に仕えたアフリカン侍のことではない。
\新たなヒーローの出現/
【再放送】
『Black Samurai 信長に仕えたアフリカン侍・弥助』
<3月6日(日)午後2時~BSプレミアム>「本能寺の変」で戦ったとされる黒人侍 #弥助 の人となりが近年の研究で明らかに。世界中から注目を集める弥助の生涯とはhttps://t.co/Z6DYHu0tKz#BlackSamurai
— NHKアーカイブス (@nhk_archives) March 5, 2022
ともの旦那の弥助は尾張・中村の百姓。
ともは地元に嫁いでいたわけですね。
ちなみに、弥助役は宗近晴見さん。NHK大河ドラマの常連役者だったみたいです。
大河ドラマ『春日局』にも酒井忠世役で出演されていました。
弟の出世を祝うため
どうじゃー、ええおかかじゃろー(藤吉郎)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第二回「足軽女房」
などど、おかか自慢の洗礼を浴びつつ、弟と久しぶりのご対面。
後ろ盾のない弟が大層な出世をしたことを祝いたくて参ったみたいです。
とも姉さ、軽く涙腺も緩んでいるようです。
物語における、ともと弥助夫婦の形式的なお披露目といった一幕。
一見すると、なんでもないようなシーンでしたが、作者が語りを通して、しっかりと布石を打っておいた様相にも。
大きな存在
藤吉郎、後の秀吉にとって、小一郎、きい、とものきょうだいたちは、大きな存在になっていく。もちろんその時、ねねには、その人たちが将来のねねにとっても重要な関わりを持ってくるとは、夢にも思っていなかった。
NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第二回「足軽女房」語りより引用
この語り、聞き逃せない結構なポイント。
秀吉は日本史で超有名人、というわけで。
ある程度の方々が史実を把握しているというテイでお話を進めますね。
おんな太閤記が初見であるかないかは別として。
子宝に恵まれなかった、ねね
秀吉は、晩年になって秀頼を授かりましたが。このことで、豊臣家は大きく激震して、とんでもないことが起こりました。
第二回あたりの時代にでも、藤吉郎とねねに男子が授かっていれば、とんでもないことがおこることもなく、豊臣家は安泰だったかも。時代が大きく変わっていた可能性が高いですね。もしかしたら、首都が大阪の可能性だって夢のまた夢ではないかも。
んがしかし、ねねには子どもが授からなかった。
となれば、藤吉郎が頼りにするのは、やはり親族となります。
兄弟姉妹を頼らない道理がない
子や孫といった直系卑属がいなければ、血縁者の兄弟姉妹を頼らない道理がない。相続順位なんかは、まさにこの考え方です。
そこで、兄弟姉妹であったが故に、後々まで秀吉に振り回されるのが、とも、小一郎、きいの面々。
同じく第二回では、やはり橋田先生が妹のきいを通して布石を打ってますね。
きい:百姓の娘は百姓が一番ええんじゃ。ほかにどこへも行きたいとは思わぬ。
中村に姿を現した兄さの藤吉郎に対して。決まった男がいることを、きいが打ち明けた理想の結婚。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第二回「足軽女房」#あさひ物語 pic.twitter.com/rm3k4LlbOm
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 13, 2022
しかし、兄さが天下人になってしまったが故に。
今後のともやきいを通して、日本史の悲喜こもごもが表現されることになります。
太閤の姉
クレジットタイトル的には中Gで第二回の初登場を飾った、とも役の長山藍子さん。
個人的には、別格扱いが印象付けられたかも。それだけ「太閤の姉」が本作にとって重要な役どころであることが示唆された様相にも。
だからこそ、ともに関しては、安定感抜群の役者さんに演じてほしいという制作サイドの意図が見え隠れしています。脚本家からの信頼度も高かったはずですから。
太閤の姉さとして、権力者となった弟に翻弄されていく、とも。
ともに関しては、どうしても日本史のお勉強がつきまといそうな様相を呈してきましたが。
橋田壽賀子脚本に翻弄されつつも、ともという稀有のおなごを表現した長山藍子さんには要注目です。
#長山藍子 1941年6月21日生、俳優座養成所12期⽣。テレビドラマ『男はつらいよ』でさくら役、松竹映画『男はつらいよ 望郷篇』ではマドンナとして登場。無論、橋田壽賀子・石井ふく子作品に多数出演。渡鬼・野田弥生役。#渡鬼人物録 #今日は何の日
画像:TBS渡鬼1-1→2019SP #渡鬼古今 pic.twitter.com/zjuZ1GRJoy
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) June 20, 2021
第二回、ともに記すツイート
お前様が大層な出世と聞いてのぉ。どうしても一言祝いが言うとうて。けどまぁ、後ろ盾もないのに、ようひとりでここまで。
中村の百姓、弥助に嫁いでいた、とも。小一郎に案内されて、藤吉郎と久しぶりに再会した一幕。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第二回「足軽女房」#ともに記す pic.twitter.com/Qf5wpNAdMn
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 14, 2022
「ともに記す」カテゴリー
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NHK大河ドラマ『おんな太閤記』で長山藍子さんが扮した、ともに注目しています。