2022年4月からNHK BSプレミアム・BS4Kで再放送がスタートした橋田壽賀子作品の大河ドラマ『おんな太閤記』。渡鬼の邦子など、橋田・石井ファミリーでお馴染みの顔になった東てる美さんが、おみつ役で姿を現しました!これは気になる。
というわけで、第五回「墨股築城」で当時の東てる美さんが扮した、おみつに注目してみました。
第五回「墨股築城」の概要
NHKオンデマンドの場合
信長は、秀吉の申し入れで対面に訪れた鵜沼城主・大沢基康を斬るように命じます。そうなると、鵜沼城に残り人質になった秀吉の命が奪われます。ねねの願いが通じたのか、利家と柴田勝家が信長を説得して、基康の斬殺を思いとどまります。秀吉は人質から解放されると、長良川の対岸に墨俣(すのまた)城を築く総大将を引き受けます。敵を前面に迎え撃ちながらの危険な築城です。ねねは秀吉の身を案じながらも覚悟を決め励まします。
おんな太閤記随想、第五回「墨股築城」
第五回「墨股築城」について、渡隅版のまとめ記事
東てる美さんのクレジットタイトル
おみつの一幕
第四回「美濃攻略」では、主・秀吉が蜂須賀小六と会談した様子を屋根裏に潜んで見守っていた、おみつ。
その後、おみつがどのような行動をとっていたか定かではない。ただ、物語には描かれなかったものの、秀吉が大沢基康の鵜沼城内に人質になっていることを把握したらしく。
第五回の冒頭にて、小一郎の目の前に姿を現す。
あたくしの一存
みつにございます。お見覚えございますか?(おみつ)
あー、なんぞあったのか?(小一郎)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第五回「墨股築城」
いきなり姿を現して、お見覚えとかって(笑)
橋田先生、唐突だよね(笑)
もっとわかりやすい物言いがあるはず。例えば
改善案
先日は、あたくしの行水が目の保養になりましたか?(おみつ)
おー!(小一郎)
みつでございます(おみつ)
あの時は色んな意味でお世話になったのお(笑)なんぞあったのか?(小一郎)
とか(笑)
即刻、小牧へ御出で願いませぬか?はいえ、これはあたくしが御役目を離れてのお願い。ねね様御独りで御心痛遊ばしておられるのが御いたわしゅうて、あたくしの一存でまいりました。ねね様の御力になってくださいまし。(おみつ)
どうしておいでなのじゃ?(小一郎)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第五回「墨股築城」
おみつは、結構自由に泳いでいる印象。
第四回でも、ねねに秀吉の無事を知らせるために、おみつが「あたくしの一存」で動いていましたからね。
みつ:務めがございます。
ねね:わざわざあたくしに、秀吉殿の無事を知らせに?
みつ:これはあたくしの一存でしたこと。ねね様のお気持ちをお察しして。
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第四回「美濃攻略」
NHKおんな太閤記、第四回「美濃攻略」おみつの刻2022年4月からNHK BSプレミアム・BS4Kで再放送がスタートした橋田壽賀子作品の大河ドラマ『おんな太閤記』。渡鬼の邦子など、橋田・石井ファミリーでお馴染みの顔になった東てる美さんが、おみつ役で姿を現しました!これは気になる。 という...
ただ、おみつが「あたくしの一存」を発動させるのは、ねねの御力になりたい時に他ならない。このことは、橋田先生の一貫性が主張されていた様相にも。まさに「おなごの味方はおなご」が描写されていたわけです。
それにしても、おみつの言い回しが、ねねを敬う徹底ぶり。「御心痛遊ばして」とかね(笑)
語尾の「くださいまし」も気になるところ。
おみつの出現によって、小一郎が野菜を担ぎながら小牧山まで駆け抜けた流れ。
すなわち、おみつの一存が物語を展開させることに。
厳密に言えば、橋田先生がおみつを使って。大根とかカブとかを担ぎながら走ることを、小一郎役の中村雅俊さんに指示したわけです(笑)
橋田先生が、小一郎をカブとかの野菜を背負わせつつ走らせた(笑)#おんな太閤記 第五回
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 30, 2022
御無事を伝える御役目
その後、鵜沼城から無事に解放された秀吉。今度は、斎藤龍興の軍勢が攻めてくる中、墨股城を築城するというリスキーの御役目を信長から仰せつかり。加えて、義弟・弥兵衛が秀吉に付き従うことにも。
ねねやや姉妹にとって、それぞれの御前様の安否が気になるところ。そんな二人の前に姿を現したのが、おみつ。
秀吉たちの現状報告
墨股の砦は無事に(おみつ)
秀吉様も、小一郎殿も、弥兵衛殿も小六殿も御無事にございます。(おみつ)
おみつ殿は、秀吉殿の御使いじゃ、嘘はない(ねね)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第四回「美濃攻略」
ねねやや姉妹に秀吉や弥兵衛とかの無事を伝えた、おみつ。
すっかり、ねねから信頼を得た様相に。
まずは、ねねやや姉妹を安心させておいて。
秀吉たちの今後の予定
秀吉様は砦の守備の為に墨股へ残られます。しばらくは御戻りにはなれませぬ。小一郎殿も弥兵衛殿も小六殿も秀吉様とともに。(おみつ)
信長様の御配慮の由にございます。(おみつ)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第四回「美濃攻略」
引き続き、秀吉や弥兵衛といった御前様たちの戦が続いている現状も報告。
なお、戦死なされた者、手傷を負われた者などもおられます。激しい戦にございました。(おみつ)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第四回「美濃攻略」
激しい戦の中、秀吉や弥兵衛が生き残った一方で。
橋田先生が、おみつを通して、お美代への布石を打った流れ。
必ず生きて帰ってくるって言うたではないかあ!おまえさまあ!😭
墨俣築城でお美代の御前様が命を落とした一幕。作者がとっておきの場面で大鹿次代さんを起用した足軽女房の悲哀。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第五回「墨股築城」 pic.twitter.com/Hy96nJiaEr
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 1, 2022
ねねやや姉妹に御前様たちの御無事を知らせることが、如何にして重要な御役目であったかがよくわかりますよね。
兎に角、御前様たちの生死に悲喜交々のおなごたちを橋田先生は表現したくて止まない様相。
「利家様、お腹のややの為にも御無事で」と願った、まつに比して。「御前様、存分の御働きを」と願った、ねね。
作者が二人のおなごで表現した価値観の違い。演者は音無美紀子さん、そして佐久間良子さん。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第五回「墨股築城」 pic.twitter.com/uUSF0oFpfW
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 1, 2022
こうなってくると、ヒロインだろうが、脇役の忍びだろうが、足軽の女房だった後家さんだろうが、橋田先生にとっては「チームおなご」といったところ(笑)
おみつ殿も苦労なされたろう。さっ、お休みなされ(ねね)
いえ、お役目がございますほどに(おみつ)
出典:NHK大河ドラマ『おんな太閤記』第四回「美濃攻略」
おみつの実直アピール(笑)
あの日、おみつが行水を披露した真意について。改めて橋田先生に問うてみたい昨今(笑)
第五回、おみつの刻ツイート
これはあたくしが御役目を離れてのお願い。ねね様御独りで御心痛遊ばしておられるのが御いたわしゅうて、あたくしの一存でまいりました。ねね様の御力になってくださいまし。
ねねを敬わない道理がない、おみつの言い分。
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第五回「墨股築城」#おみつの刻 pic.twitter.com/cSjCOODnHU
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 2, 2022
「おみつの刻」カテゴリー
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