「レ・ミゼラブル」といえば、世界中で公演されている「ミュージカルの金字塔」。ミュージカル俳優を目指す役者さんにとっては夢の大舞台なわけです。日本における「レ・ミゼラブル」の歴史は、1987年の初演からはじまりました。がそこにはなんと!あの渡鬼・本間長子役でお茶の間を楽しませる藤田朋子さんの姿があったわけです。「レ・ミゼラブル」で俳優デビューされたわけですね。まさに「長子の原点は『レ・ミゼラブル』にあり」と言っても過言ではないわけです。
以下、1987年の日本初演から30周年を迎えた「レ・ミゼラブル」の魂を大切な宝物にしている藤田朋子さんに迫ってみたいと思います。
世界中が注目するミュージカルの金字塔「レ・ミゼラブル」とは?
日本の「レ・ミゼラブル」を知るためにまず向かった先は公式サイト。
「INTRODUCTION」ページを確認しました。
このページから「レ・ミゼラブル」の作品概要に相当しそうな文章を引用してみました。
原作は、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーが自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱期を舞台に当時の社会情勢や民衆の生活を克明に描いた大河小説である。原作の持つ、「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったエッセンスを余すことなくミュージカルに注ぎ込んだ本作品は、1985年のロンドン初演を皮切りに、日本では1987年6月に帝国劇場で初演を迎え、以来熱狂的な支持を得ながら、東宝演劇史上最多の3,006回(2015年9月時点)という驚異的な上演回数を積み上げるに至る。全世界での観客総数も7,000万人を突破し、“世界の演劇史を代表する作品の一つ”であることは、もはや誰しも疑うことができないでしょう。
渡隅のようなミュージカル素人でも「レ・ミゼラブル」の偉大さが伝わってきます。
「レ・ミゼラブル」は映画化もされているようです。
2012年12月には、ミュージカル版をベースとした映画版『レ・ミゼラブル』(監督:トム・フーパー、出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド 他)が公開され、全世界で大ヒットを記録。録音技術の向上とCG技術の発達により、撮影と同時にキャストの歌声を録音するという前代未聞の試み(それまでは、事前に録音した歌声に合わせた演技を撮影するのが通常だった)は、ミュージカル映画の常識を覆し、圧倒的な臨場感とスケール感を生み出し、ミュージカル映画の範疇を越え、ミュージカルファンのみならず多くの映画ファンの心を掴んだ。
役者「藤田朋子」さんの原点を探る上で、この作品は是非ともおさえておきたい。
何だか今後の人生が変わるかもなすごい映画みたい!
これは是非とも鑑賞してレポしたいですね。
ちなみに、サウンドトラックで「レ・ミゼラブル」を車の中でも楽しめるわけです。
1987年の日本初演「レ・ミゼラブル」
何とも偉大なる「レ・ミゼラブル」。日本で初演されたのは1987年。
当時は「レ・ミゼラブル」のテレビCMが大々的に放映されていたのが記憶に残っています。
当時のことを回想する貴重なコラムがありました。
当時の「レ・ミゼラブル」は、B席で3500円。渡る世間の昨今においても、B席は4000円程度。これなら渡隅のような超スペシャル庶民でも観に行けるではないか!
当時の出演者にも注目!
この日のキャストは、滝田栄のジャン・バルジャン、鹿賀丈史のジャベール、斉藤由貴のコゼット、野口五郎のマリウス、島田歌穂のエポニーヌ、斎藤晴彦のテナルディエ、鳳蘭のテナルディエ夫人、岩崎宏美のファンテーヌ、内田直哉のアンジョルラスなど。
これはすごいぞ!お一人お一人取り上げたいくらいの大物ばかりだぁ。
偉大なる先人の役者さんに「感謝感謝」by 田中邦衛さん復活祈願!
レ・ミゼラブルに「藤田朋子」あり!
上述のコラムを読み進めていくと。なんと!
彼らは12,274人のオーディションから選ばれたのだが、ミュージカル俳優としてはほとんど新人に近い状態の人も多い。ついでながら、初演キャストの中で全く俳優経験のないまっさらの新人としては藤田朋子がいた。
藤田朋子さんって、今では国民的人気女優のイメージですが、役者スタートは「レ・ミゼラブル」だったんですね。
ということは。1988年のNHK連続テレビ小説「ノンちゃんの夢」に主演されてから一気に渡鬼の本間長子役に駆け上がって行った藤田さんですが。もしかするとミュージカルの舞台女優として大活躍した可能性もあったわけです。
藤田朋子さんが秘めた「レ・ミゼラブル」への思い
2017年は「レ・ミゼラブル」の日本初演30周年記念公演。
スペシャルカーテンコールでは歴代・現役のキャストが勢ぞろいしたご様子。
その中には藤田朋子さんのお姿も!
初演公演にアンサンブルとしてご主演されていた藤田朋子さんの姿も。
「宮ちゃん(宮川浩)が言ったみたいに、この舞台がデビューでした。このオーディションに受からなかったら、たぶんいまだに路頭に迷っていたと思います(笑)。今まで女優を続けてこられたのは、この作品の関係者のみなさんが私を舞台に立たせてくれたからです、ありがとうございます!」げきぴあ「『レ・ミゼラブル』30歳のお祝いに鹿賀丈史ら150名来場!アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルクも祝福」より引用
「レ・ミゼラブル」の日本初演30周年記念は、すなわち藤田朋子さんの役者デビュー30周年記念でもあるわけです。
やはり藤田さんにとっても「レ・ミゼラブル」には特別な思いがあるようです。
藤田さんも自らのブログで「レ・ミゼラブル」へのあつい思いを語っています。
印象的な藤田さんのメッセージをピックアップしてみました。
レ・ミゼラブル 。私を役者にしてくれた作品。私のデビュー作品。
でも、その後に決まった朝ドラ『ノンちゃんの夢』が初めてのテレビ出演で、全国に顔を届けることになり、ミュージカルに出演する機会が減り、いつの間にかミュージカル出身はおろか、レ・ミゼラブル出演者であることも霞の彼方に消えていってしまいそうな私のデビュー。
たしかに。私には「渡鬼の長子」のイメージしかなかったわけで。
パーティーには大勢のキャストやスタッフが集っていました。同窓会になってました。
「レ・ミゼラブル」日本初演30周年記念公演スペシャルカーテンコールで集まった歴代キャストの方々と楽しく懇談できたご様子。
中には私と同じ役を演じていた方から「藤田、って書いてある衣装を着てました」と声をかけて頂いたりしました。
プロデューサーさんが私に言いました。「藤田さんが頑張っていることが、アンサンブルの励みになっているんですよ。本当に。藤田さんの存在は大きいんですよ。」
間違いなく励みになりますよ。あの「藤田朋子」さんも将来を夢見て頑張っていたアンサンブルですから。
登壇した全員がコメントをいい終えると、森公美子さんが言ったの。
「皆さん!聞いてください!この方たちが、ここにいる初演の方たちが成功させてくれたから!今、レ・ミゼラブルが続いているのです!」
嬉しかった。涙が出た。
藤田さんが表現する文章はまさに情熱的なミュージカル!
なんだかこちらも涙が出ます。
「おんなの家」にもアンサンブルが?
「レ・ミゼラブル」の役者デビューをきっかけにスター街道を歩み始めた藤田朋子さん。
ミュージカルからは遠ざかってしまったものの、2017年は「おんなの家」にも出演するなど、舞台女優としては大活躍中です。
そこでやはり藤田さんの公式ブログに気になる記事がありました。
藤田朋子さんが注目したのは、若手俳優の榮林桃伽さん。
ほんの僅かな出番でも、工夫して、命を込めて演じる。
「おんなの家」の舞台にもアンサンブルがいたわけです。
「レ・ミゼラブル」アンサンブルだった藤田さんから榮林桃伽さんへの「粋な演出」ですね。
榮林桃伽さんも、ご自身のブログで大先輩・藤田朋子さんへの「感謝」の気持ちを言葉にされています。
若手俳優さんにとっては本当にありがたいことです。
編集後記
藤田朋子さん、いいね!(笑)
ふとこのような記事を書いていたら、あの人気柔道漫画「YAWARA!」に登場するスポーツ新聞記者の松田を思い出しました。彼は、柔道がめちゃくちゃ強い女の子・猪熊柔の光り輝く勇姿をとにかく記事にしたい男。下手な芸能人のゴシップネタには全く興味がないわけです。
これからも「今の藤田朋子がいい!」といろんな人に思ってもらえるような記事を作成していきたいと思う今日この頃。