NHKの橋田壽賀子作品に何かと頻出の様相を呈したガッツ石松さん。結果論として、橋田先生のお気に入りだったわけですが。NHK大河ドラマ『おんな太閤記』にも、森弥五六として出演されていました。
というわけで、第六回「一夜城主」の森弥五六に何かと注目してみました。
第六回「一夜城主」の概要
NHKオンデマンドの場合
秀吉は小一郎や小六らと一夜で墨俣(すのまた)城を築き、城代として常駐します。隣家の利家とまつに第一子が生まれると、ねねも子どもを欲しくなりました。永禄10年(1567)8月、信長が美濃に総攻撃をかけると、秀吉の調略活動や前線部隊長としての活躍が功を奏し、稲葉山城は陥落。秀吉は信長から瓢箪(ひょうたん)の馬印を許されますが論功行賞はなく、気落ちします。しかし、ねねに励まされてやる気を取り戻します。
ガッツ石松さんのクレジットタイトル
文字のかすれが微妙に気になる
ほんの一瞬だった初登場
第六回で華々しく初登場!と言いたいところでしたが。第五回「墨股築城」にて、ほんの一瞬だけ姿を露わしていた森弥五六。本当に、ほんの一瞬だけです(笑)
さりげなく、砲戦の一瞬だけ。ほんの一瞬だけ、ガッツさん登場(笑)#おんな太閤記 第五回
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) April 30, 2022
大活躍だった第六回
第六回「一夜城主」に頻出していた森弥五六の情景をピックアップしてみました。
嘉助との出会い
怪しい奴がうろうろしとるぞお!(森弥五六)
横顔が若かったガッツ石松さん
御頭である秀吉の義弟を危うく殺めそうになった一幕
待て待て、待て待て、儂は怪しい者じゃない!儂はな、木下藤吉郎秀吉殿の妹御の亭主、嘉助と申す者!義兄様に会いとうて来た!待て!儂はな、秀吉殿の義弟(嘉助)
ちょっと、おい、こら!後でお咎めを受けても知らぬぞ!手荒なことをするな!儂は義兄様に会いとうて来たのじゃ!(嘉助、語尾不明瞭)
怪しい奴をひっ捕らえてみると。ピーチクパーチク、早口で訳の分からないことを叫んでいる。兎に角、うるせったかった様相。というわけで。
うるさいわこいつう(森弥五六)
まさにコント。演者のガッツさんとせんだみつおさんによる絶妙のハーモニー。台詞とアクションの間(ま)が凄くよかった。これは脚本と演出に忠実に従った演者たちの成果。大爆笑必須だった一幕。
すると、そこに御頭・秀吉の弟御・小一郎が姿を現す。
何を騒いでおる?(小一郎)
みろみろみろみろー!うったとおりじゃろう!小一郎殿じゃとで儂の義兄様よ!それをこやつらはなあー!特にこの者はな―、儂を(嘉助)
滑舌に難があった怪しい男の正体はなんと!御頭・秀吉の義弟だった!
特にこの者(笑)弥五六、ピンチ!と思いきや、せんださんの弱弱しい顔(笑)まさに橋田先生の狙いどおりだった様相にも。
というわけで、墨股城の番人として立派に御勤めの様相を呈した森弥五六。無論、嘉助の頭を引っ叩いたからと言ってお咎めはなかったわけです。むしろ、命を拾った嘉助が強運の持ち主だった様相にも。
嘉助、とりあえず生きててよかったね
嘉助との絡み、再び
あれ、おなごじゃ。おなごが来たぞ!おなごじゃ!(森弥五六)
誰かが来たというよりも。おなごが来たことに敏感だったガッツアンテナ
姿を現したおなごは御頭・秀吉の親族である様相。すると、おなごの一人が駆け出した。そして、きいに追われていた嘉助が、なぜか弥五六のいた物見櫓の上に逃げようとしてきて。
嘉助を消極的に助けてようとしていた弥五六(笑)
嘉助を助けたいのか、嘉助を助けたくないのか。気持ちの表現をもっと明確に指示してあげた方が。ガッツさんと嘉助がもっと面白くなったかもね。
小一郎が、きいを後ろから羽交い締めにしたことで。きいと嘉助の見世物は終了。
舞台は、御頭・秀吉の居所に移ったわけですが。
鬼のようだった、きいよりも。弥五六が気になったのは、もう一人のおなご、ねね。
御頭のおかか
おうおう、何をしておる?入れ(秀吉)
ガッツさんが動物園のお猿さんみたい(笑)
御頭のおかか様は、綺麗な御方じゃのう(森弥五六)
きいのことは無視(笑)
きいへの配慮、全くなし(笑)
どアップは厚遇の証
ガッツさんの面相が大きくクローズアップ(笑)
橋田先生のお気に入りに追加されたことを大きく印象づけることに
宴会中も任務中
宴会中であっても、秀吉方が警備を怠らなかったことを印象づけた一幕。ましてや、物見櫓の番人役がガッツさん。さりげなく面白い絵面でしたね。
ガッツさんの場合、宴会で騒ぐ路線も考えられたはず。それでも橋田先生は、忠勤の番人として、弥五六をさりげなく表現したかった様相にも。
弥五六の背後遠方に、ねねや弥兵衛の姿とかを捉えることができる映写も乙。ねね役の佐久間良子さんが何となく物見櫓の方を気にしている様相にも。
敵襲じゃ!
敵襲じゃ!敵襲じゃあー!(森弥五六)
しっかりと物見櫓の番人として、いち早く夜襲をお味方に知らせた弥五六。何だか、よい意味での偏りというか、弥五六への固執を橋田先生が表現した様相にも。
嘉助との絡み、三度目
箱を大事そうに抱えて座り込んでいた嘉助を別の場所に移動させた後。ほかの場所に去っていった弥五六の一幕。
きいに追いかけられた嘉助が物見櫓に逃げようとした時もそうだったけど。絵面だけでは登場人物の気持ちがわかりづらい。このことは、脚本に起因するのか、それとも演出が足りなかったのか。なんか、もったいなかった感じですね。
まとめ
兎に角、第六回「一夜城主」は森弥五六の回と言っても過言ではありませんでしたね。
橋田先生に気に入られて間もない頃のガッツ石松さんだったわけです。
森弥五六ツイート
おうおう、何をしておる?入れ(秀吉)
覗き見していた森弥五六が、檻の中の御猿さんの様相を呈した絵面🙈
画像:NHK大河ドラマ『#おんな太閤記』第六回「一夜城主」 pic.twitter.com/1YbgmyZIxe
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) May 14, 2022
森弥五六のガッツだぜ!カテゴリー
NHK大河ドラマ『おんな太閤記』でガッツ石松さんが扮した森弥五六に関する記事があります。
週刊おんな太閤記随想、第六回「一夜城主」
週刊おんな太閤記随想
ガッツ石松さんの公式情報