司馬遼太郎原作の『関ヶ原』をTBSテレビ開局30周年記念番組として1981年に制作された超大作時代劇『関ケ原』。当サイト管理人・渡隅が日本の戦国時代劇を嗜好するきっかけとなった作品でもあります。
そこで、1981年に制作されたTBSドラマ『関ケ原』について、あくまでも渡隅目線で見どころをご紹介したいと思います。
加藤剛さん主演の『関ケ原』を観るには
1981年産のTBSドラマ『関ケ原』を視聴する方法はいくつかあります。
ブレーレイやDVDを購入する
超大作で3部作(3枚組)のTBSドラマ『関ケ原』。
もう少し安くなるとよいですね。
レンタルで借りる
DMMなら単品レンタルでも借りられそう。
ただし、順番待ちは覚悟しましょう。
TBSチャンネルに加入する
スカパーなどでTBSチャンネルと契約して『関ケ原』が放送されるのを首を長くして待つという選択肢もあります。
オンデマンドと異なり、TBSチャンネルの放送予定に組まれないと観られないのがデメリットかも。
ちなみに、渡鬼などの人気ドラマは、繰り返し頻繁に放送が組まれる傾向。
渡隅目線のみどころ(簡潔版)
第一夜「夢のまた夢」、第二夜「さらば友よ」、第三夜「男たちの祭り」の3部作で構成された『関ケ原』。石田三成が加藤清正らの東軍方に屋敷を襲われて家康の屋敷に逃げ込んだ話とか、三成が処刑される前に柿を嫌った話とか、有名な逸話が当然のように盛り込まれているわけですが。
ここではあくまでも渡隅目線で見どころをご紹介します。
圧巻のエンドロール!
とにかく豪華絢爛な『関ケ原』の役者陣。
まずは、各夜における『関ケ原』の主な出演者をご紹介します(TBSチャンネル『関ヶ原』の各夜ページより引用)。
加藤剛、三船敏郎、杉村春子、三田佳子、松坂慶子、栗原小巻、宇野重吉、三國連太郎、三浦友和、竹脇無我、丹波哲郎、森繁久彌 ほか
加藤剛、三船敏郎、杉村春子、三田佳子、松坂慶子、栗原小巻、木の実ナナ、沢村貞子、三國連太郎、芦田伸介、藤岡弘、田中健、笠智衆、竹脇無我、丹波哲郎、森繁久彌 ほか
加藤剛、三船敏郎、杉村春子、三田佳子、松坂慶子、三國連太郎、丹波哲郎、竹脇無我、三浦友和、国広富之、高橋幸治、田中健、千秋実、大友柳太郎、菅野忠彦、京塚昌子、古手川祐子、細川俊之、高松英郎、川津祐介、三沢慎吾、井上孝雄、沢田雅美、藤木悠、神山繁、森繁久彌 ほか
何ともそうそうたる顔ぶれです。ところが!上記の役者さんはほんの一部。
そこで、第三夜「男たちの祭り」のエンドロールに関するYouTube動画をお借りしてきましたのでご紹介します。
まずはテーマ音楽。これからひと騒動起りそうな、何か胸騒ぎをあおるヴァイオリンの音色。そして、トランペットの独奏が何とも渋すぎ。
音楽はあの山本直純さんがご担当されました。
そしてエンドロールの背景に描写された夕日。カメラをまわして徐々に沈んでいく夕日をとらえているわけです。これも渋い。
エンドロールの男性キャストは東軍と西軍に分けて表示されているのが面白い。男性キャストのエンドロールが終わると、少し「間」をおいてから「女性たち」のエンドロールがスタートする。この「間」でもヴァイオリンが胸騒ぎをあおってきて、女性キャストのエンドロールを際立たせている印象。
三成の色恋沙汰が展開される
1981年にTBSが制作した『関ヶ原』では、石田三成の色恋沙汰というか、ラブロマンスが描写されています。松坂慶子さん演じる三成の妾(そばめ)・初芽とのベッドシーンというか、寝屋を共にしたり。
石田三成のラブロマンスが描写されたのって珍しいかも。たまたまかもしれませんが、他作品ではほとんど記憶にないですね。
「討ち死に覚悟」鳥居元忠役の芦田伸介さん(第二夜)
徳川が会津討伐に出立すれば、真っ先に西軍の標的になるのが徳川の伏見城。留守居役は芦田伸介さん演じる家康の旧臣・鳥居彦右衛門元忠。伏見城には兵力を残せない森繫久彌さん演じる徳川家康。遠回しに元忠に「死んでくれ」と言っているわけで。幼いころから苦楽を共にしてきた家康と元忠。家康としても何とも忍びない元忠との別れの盃。
ここでは特に芦田伸介さん演じる元忠の眼光に注目。妙に清々しい。改めて凄い役者さんであったことを思い知らされます。
「男のロマン」島左近役の三船敏郎さん(第三夜)
西軍の敗戦が濃厚になって三成を逃がした後の三船敏郎さん扮する島左近。
おそらく関ヶ原はもののふの雄叫びとかでとんでもない喧騒にあったはず。なのに、最後の戦いを東軍に挑む島左近隊の陣地内は、敵がなだれこんでくる気配がなく(笑)
そして、島左近がナビゲートする「地獄の旅」に喜んでお供する配下たち。何とも清々しいシーン。結局、本作の島左近が討ち取られるシーンはなく、敵兵とやり合う「男のロマン」的な描写で島左近は終わっています。
とにかく三船敏郎さん扮する島左近の鎧兜姿が何ともかっこよい。
「落ち武者」石田三成役の加藤剛さん(第三夜)
石田三成を演じた役者さんの中で、落ち武者の面相や様相では加藤剛さんがダントツで輝いていますね。
伊吹山中で捕縛されて、大津城の城門前でさらされた三成の面相・様相は圧巻の一言。落ち武者風情になり下がっても、どこか気品が漂っていたような。
西軍を寝返った国廣富之(現・国広富之)さん扮する小早川秀秋の盃の水面に現れたシーンとか、何とも恐ろしい。
三成をかくまった与次郎役の今福将雄さん(第三夜)
伊吹山中に逃れた三成を洞窟でかくまった与次郎。三成から受けた昔の恩義を忘れない忠義者。東軍・田中吉政の追手が迫る中、何とか三成を逃がそうとする与次郎を演じるのは今福将雄さん。観ていて切なさがこみあげてくるシーンです。
大がかりな合戦シーン(第三夜)
いかにも「ロケしてます」な合戦シーン。空前絶後な『関ヶ原』の大がかりなロケで、制作者の方々はかなり苦労されたのではないかと推測します。
東西合わせて二十万の大軍が激突した史上最大の戦闘「関ヶ原の合戦」を役者延べ120人、エキストラ延べ3500人、馬約500頭の大ロケで再現した。
これだけの人馬を動かすわけですからね。当時、TBSで『関ヶ原』の撮影風景が放送されていたのを何となく記憶していますが。やっぱり大変だったと思います。
渡鬼出演者・関係者も大活躍!
TBSが制作した『関ヶ原』には、同じくTBSテレビ『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』の出演者や関係者の方がご活躍されました。
タイトルは篠原栄太さん
『関ヶ原』の題字を担当されたのは篠原榮太さん。
篠原栄太さんは、TBS『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』のタイトルも担当。
ナレーション・石坂浩二さん
役者としてだけでなく、ナレーターとしてのご活躍も顕著な石坂浩二さん。
渡鬼でも第1シリーズからずっとナレーションをご担当。
さらに、渡鬼第1シリーズ第48回(最終回)では、川本役で特別出演。
北政所役・杉村春子さん
エンドロールでは「女性たち」の筆頭格で登場された北政所役の杉村春子さん。
渡鬼第1シリーズでは立花ワカ役で特別出演。
孝蔵主役・三崎千恵子さん
映画『男はつらいよ』のおばちゃん役でお馴染みの三崎千恵子さん。
渡鬼第1・2シリーズでは小料理屋「おたふく」の女将・塚田咲枝役でご出演。
出雲の阿国役・木の実ナナさん
個人的にはフジテレビで放送されたドラマ『オレゴンから愛』に出演されていたのが印象深い木の実ナナさん。
渡鬼第3~5シリーズに秋葉満枝役でご出演。
村越茂助の妻役・沢田雅美さん
数多くのTBS作品、特に石井ふく子プロデューサーの作品にご出演された沢田雅美さん。
渡鬼第1シリーズから久子役でご出演。
前田利長役・長谷川哲夫さん
金八先生、水戸黄門、大映ドラマなど、数多くのTBS作品に出演されてきた長谷川哲夫さん。
渡鬼第2シリーズでは塚田文太役、2017年の渡鬼スペシャル以降は高野浩平役でご出演。
堀尾忠氏役・角野卓造さん
NHKの『おんな太閤記』や『真田太平記』など、時代劇の出演も豊富な角野卓造さん。
渡鬼では第1シリーズからずっと小島勇役でご出演。
角野卓造さんが演じた『関ヶ原』の堀尾忠氏が個人的には何とも面白かったですね。
そこで、次項では角野卓造さん扮する堀尾忠氏に迫ってみたいと思います。
「しゃべりすぎた男」堀尾忠氏の顛末
角野卓造さんが『関ヶ原』で好演した「堀尾忠氏」がどんな武将であったか。
下記ページが堀尾忠氏の大まかな種明かしになります。
父親は堀尾吉晴。そして『関ヶ原』の堀尾忠氏と言えば、何ともインテリというか、知恵者っぽいところを角野卓造さんが醸し出したわけです。
対して、千秋実さんが好演された『関ヶ原』の山内一豊と言えば、優柔不断でどこかすっとぼけた印象。
年始参りで挨拶に行くのは秀頼と家康のどちらが先かで迷ったり。そこで登場するのが忠氏。本来であれば、先に秀頼に挨拶に行くのが筋であるが、場所的に家康が居る二の丸の方が近いという理由で、先に家康の方に挨拶に行くと一豊に告げるわけです。
そして、徳川家康+東軍方の軍勢が会津討伐に向かった隙に上方で三成が挙兵。それを知った家康が「小山評定」で会津討伐に参陣した各大名に改めて味方につくかどうか確認した流れ。
ここで再び一豊と会話を交わすことになった忠氏。なんと「小山評定」前に自分の手の内をベラベラと一豊にしゃべりすぎちゃうわけです。
手の内を喋りすぎた堀尾忠氏の「小山評定」の顛末、角野卓造さんの面相に注目です。
まとめ
TBSが1981年に制作した『関ヶ原』を渡隅目線でご紹介してみました。