TBSの国民的人気ドラマでといえば「橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり」なわけです。脚本家の名前がドラマのタイトルに入ること、それって物凄い威厳ですね。そんな橋田先生原作の渡鬼、何かと話題に上がるのは長い台詞。登場人物は事あるごとに「起承転結」などを踏まえながら、話の全てを長めに語りたがるわけです。
渡鬼の登場人物にはカウンセラー資質が要求されていた
渡鬼の長セリフ、当サイト管理人の渡隅的には「科学」を感じるわけです、はい。カウンセラーなどを職業とする相談員の方々は、積極的傾聴を示すことで支援対象者の内面を引き出そうとします。「私はあなたに共感しています!」と言わなくても、傾聴する姿勢で示せるわけです。話し手の方からすれば、否定されるよりも受容される方が気分よく話せるので。
渡鬼の登場人物は、健常者の中でもプロ並みの「聞き上手」ばかりだったんですね。
渡鬼の話し手と聞き手のハーモニーは「名乗り」?
渡隅がこのお題を記事にしようと思ったとき、ふと「名乗り」を思い出したんですね。
源平合戦あたりの頃は、一騎打ちが盛んだったみたいで。「我こそはー!」って敵に向かって自身の所属部署とか氏名などを名乗るわけです。
相手が名乗っている最中、ご指名を受けた武将は、自分の「名乗り」の順番がくるまで、大人しく相手の「名乗り」をじっと受容するわけです。やるかやられるかの「いのちの現場」で何とも冷静な対応!
ちなみに、二人のやりとりや一騎打ちなどに対して、やはり「お作法」として他の武将は関わらないわけです。この礼儀作法というか「名乗りの流儀」ってすごいと思います。
ところが、安土桃山時代あたりの戦国の世では集団戦法になっていて、おそらく名乗っている最中にとっととやられてしまうわけです。ある意味で、戦に礼儀作法がなくなってきたということでしょうか。
まとめ
「橋田壽賀子ドラマ」に非常にありがちな長台詞。
相手の話に途中で口を挟まないコミュニケーションの流儀が渡鬼に反映されていたわけです。