TBSテレビ『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』3時間スペシャル2018を検証します。今回は、契約先が倒産・破産したことなどを透から説明されても動じなかった肝っ玉妻・葉子(シーン19)の巻です。
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物語を検証してみる
前のシーンでは姉・五月の夫で義兄の勇を見舞った葉子だったわけですが。
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勇の入院先の病院から自宅兼大原設計事務所に葉子が戻ってきました。
葉子、自宅兼大原設計事務所に帰宅する
共用部にはヒマワリの花瓶、まだまだ暑さが残る9月を演出。
マンションの扉には「大原設計事務所」の看板。また「大原透 大原葉子」の名前もしっかりと刻まれていますね。それぞれ独立した一級建築士なんだぞ、みたいな。
そして呼び鈴を押そうとする葉子がとても絵になっています。
双子のゆきとみきがお出迎え
呼び鈴を押してすぐさまカギがかかっていない扉を開けて「ただいま」と発生する葉子。
すると、色違いのお揃いの服をまとった娘のゆきとみき、要するに双子っちがお出迎え。
そう言えば、ゆき役の高橋寧音さん、みき役の高橋乃愛さんが渡鬼に初登場したのは2016年。
それから2017年のスペシャルにも出演して。
3年目となる2018年のスペシャルにも登場した次第。
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葉子の娘二人を双子に設定した橋田壽賀子先生。兎に角、貴重な双子の子役なわけです。
物語の中でも現実社会でも大事に育ててほしいものですね。
それはさておき、ゆき「もしくは」みきの話によれば。
透がすでに帰宅しているらしい。
何やら物語が展開する予兆。
こんな時間に透が帰宅していた
パソコンを見つめる透の背中、何かを物語っているわけで。
双子っちに連れられた葉子が透の元に行くと。面相でも何かを物語る透の情景。
すぐさま背中で何かを訴える透の状況を悟った葉子。
家の中でゲームばかりしている双子っちを軽く窘めつつ、公園に行って体を動かすように指示した葉子。
対して双子っち、母・葉子の指令を素直に聞き入れてお外に去っていったわけです。
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それもさておき、意図的に「人払い」で透と二人きりになった葉子。瞬時に透の異変を察したわけですね。
真っ昼間からワインの意義
ここからが何となく橋田壽賀子先生の真骨頂↓
葉子:ワインでもいかがー?子供たちには聞かせたくない話じゃないんですか?だから、散歩に行ってもらいました。飲んだら気が楽になるんじゃないかなぁ。そんな顔、してますよ。
昼間から夫婦の間で「飲みにケーション」を取り入れてきた葉子、それもワイン(笑)
また、人払いで気を利かせたことを「わざわざ」アピールする葉子(笑)
ダイニングにも向日葵とかが入った花瓶で晩夏を演出する大原邸。
パソコンを見つめていた透、面相が厳しい。
ということで、これまで沈黙を守っていた透が重い口を開きました。
(株)佐井ビルディングスが倒産・破産
透の話によると、昨年(2017年)から契約して何棟かビル建設に関わっていた「(株)佐井ビルディングス」が倒産して破産宣告したらしい。
確かに透が沈痛な面相になるのも納得。
葉子の話によれば、佐井ビルディングスの幹部は派手に交際費を使っていたらしい。透もよい料亭に招待されたこともあったみたいで。葉子的には「大丈夫かな?」と思っていた佐井ビルディングスだったわけです。
にもかかわらず、透からさらなる自白が!
佐井bldgsの株まで購入していた!
透の話によれば、倒産・破産した佐井ビルディングスの株まで購入してしまったらしい。
目が節穴だったことを葉子に自供した透だったわけです。
少しずつ貯めてきたお金を佐井ビルディングスの株に投資した透。ということで、株券が紙切れ同然となってしまい、丸裸になったことを葉子に説明したわけですが。
さらに、佐井ビルディングスとしか契約していなかったのか、今後は収入が入ってこないことを説明する透。
とにかく一大事な様相となった大原家。その時、葉子は?
葉子、透に休養を促す
葉子:だったら、しばらく仕事休んで、ゆっくり次のこと考えたらいいじゃない。この際思い切って気分転換に、海外の建築物見てくるのもいいじゃない!
透:何を呑気なこと言ってんだ。収入がなかったら、生活費切り詰めてもらわないと、やっていけないんだぞ。
ほんと、何を呑気なこと言ってんだ、葉子(笑)
透の驚愕の表情も印象的。
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透と結婚してからも建築士の仕事を続けることができた葉子。この点について、葉子は透に感謝していることが台詞で表現されました。
また、生活費を透に出してもらっていたので、葉子が自分で稼いだ収入についてはヘソクリとして貯めこんでいたみたいです。
ということで、いざという時にも動じない姉さん女房の葉子。
「任せといてください」と透に言い放ったのが印象的。
ほんと、頼りになりますね。
リスク分散で最悪を免れた大原夫婦
葉子:おかげで私は今も仕事させてもらっているし。小さい仕事だけど、まっ、これでも家族が食べていけるぐらいの収入はあるし。
透:すまない。
葉子:あたしたち、同じ仕事しているのに別々の世界で働いてきてよかったわよね。共倒れしないで済むもんね。
逆に考えれば、葉子も透と一緒に佐井ビルディングスと契約していたらとんでもないことになっていました。
分散投資とかは基本中の基本ではありますが。
夫婦がそれぞれ別の世界で働くことをリスクの分散として描写された橋田壽賀子先生。
なかなか知的なシーンでした。
葉子が良妻に進化したことで、2018年の大きな窮地を乗り越えた大原夫婦。
いよいよ成熟してきましたね。
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渡隅賞の発表!
このシーンの渡隅賞各賞を発表します。
各賞受賞のみなさん、おめでとうございます!
肝っ玉賞
取引先が倒産・破産して丸裸同然になった透に対して「大丈夫!」とワインを嗜む余裕まで見せつけた大原葉子役の野村真美さん。
ここぞとばかりに頼りになる姉さん女房を好演されていました。
目が節穴賞
倒産・破産した佐井ビルディングスの契約していたばかりか、株券まで購入して資産が丸裸になってしまった大原透役の徳重聡さん。
このシーンの透の面相、何となく石原軍団らしい渋さが出ていたかも。
双子っち賞
2018年の渡鬼でもゆきとみきの双子役として登場した高橋寧音さんと高橋乃愛さん。
2019年の渡鬼でも元気に登場してほしいものです。
渡鬼出演者・関係者情報
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過去鬼は「TBSチャンネル」で視聴できます。