毎年、お正月のニュースになってしまうのが、餅をのどに詰まらせる事故。
実際に身近な人が窒息状態になった時、対処法を知っていれば救命できる場合があります。
以下、窒息事故の対処法などについてご紹介します。
餅が喉に詰まる窒息事故
2018年のお正月も、餅を喉に詰まらせる窒息事故が起きてしまったようです。
餅をのどに詰まらせる窒息事故、原因・予防・応急処置を解説 - ライブドアニュース
熱くなった餅も、飲み込むときには冷えてのどにくっつきやすくなるという。餅はなるべく小さく切り、しっかりとかんで食べるべきとのこと。詰まった場合はまず119番に連絡し、できるだけ咳を続けさせるとよいそう
上記ページは、原因や対処法などがコンパクトにまとまっています(ご一読をお勧めします)。
窒息事故は高齢者に多い
食物が原因による窒息事故は、年間で65歳未満が6%前後、65歳以上が40%あまりとなっており、1月の窒息事故では65歳以上の高齢者が約90%を占めています。
出典:ライブドアニュース「餅をのどに詰まらせる窒息事故、原因・予防・応急処置を解説」
圧倒的に多い高齢者の窒息事故。その原因とは?
奥歯がなくなったり入れ歯になると、顎を安定させにくくなり、かむ力と飲み込む力が低下します。食べた物をしっかりとかんで、スムーズに飲み込むことが難しくなるのです。
また、高齢者だけではないのですが、朝は唾液の出が悪いので、のどに餅を詰まらせやすくなります。
出典:ライブドアニュース「餅をのどに詰まらせる窒息事故、原因・予防・応急処置を解説」
咀嚼機能・唾液分泌機能の働きなど、老化によって摂食嚥下機能が低下するわけです。
ちなみに、唾液分泌の重要性に関しては、下記ページなどをご参考ください。
唾液がもたらす「口の中」への小さからぬ影響
「唾液」あるいは「つば」と聞くと、「汚い」などのネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。ところが近年では、唾液には虫歯を予防したり消化を促進したりする効果が多くわかってきています。筆者は、…
窒息事故の予防
餅による窒息事故を防ぐには、以下の3つの点を注意します。
1.食事前に会話などをして口の準備運動をしたり、スープなどでのどを潤してから食べましょう。
2.餅はなるべく小さく切って、口の中で、しっかりとかんで、唾液と十分に混ぜながら食べましょう。
3.口の中の分をすべて飲み込んでから、次の一口を食べましょう。
出典:ライブドアニュース「餅をのどに詰まらせる窒息事故、原因・予防・応急処置を解説」
いずれも日頃の食事習慣として身につけておきたいものです。
嚥下体操
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窒息事故の対処法
ここでは餅をのどに詰まらせた場合を含めて、窒息事故に関する対処法をご紹介します。
窒息状態の判断
咳が可能であれば、咳をさせて異物除去を促す。
問いかけに対して「発声ができない」状態でチョークサイン(ジェスチャー反応)などがあれば窒息状態と判断できる。
チョークサイン:のどに手を当てて呼吸ができなくなったことを示す動作
119番通報の注意点
119番通報では何よりも現場の「住所」をしっかりと伝える。
119番通報で「窒息」というキーワードをしっかりと伝える。
「119番で救急車を呼ぶ時は、病状ではなく『住所』から伝えるべき」投稿が話題に、東京消防庁に聞く - ライブドアニュース
119番通報で最も重要なのは、一刻も早く住所を特定することだという。住所や氏名、年齢、既往歴をメモにしておくのも有効だと東京消防庁の担当者。焦ってしまうのは当然だが、職員が冷静に情報を聞き取るので大丈夫だとした
気道異物除去の手順(救命方法)
覚えておきたい窒息事故の救命法は以下の2つです。
腹部突き上げ法(妊婦や乳児には行えない)
背部叩打法(はいぶこうだほう)
詳細は「日本医師会-救急蘇生法 気道異物除去手順」の下記ページをご確認ください。
気道異物除去の手順|日本医師会 救急蘇生法
食べ物がのどにつまった!子どもが異物を口に入れてしまった!窒息したときはどうする?日本医師会が「気道異物除去の手順」を解説します。
また、気道異物除去の方法について、実際に専門家が説明・実演しているユーチューブ動画もご紹介します。是非ご確認ください。
- YouTube
YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。
乳児・幼児・成人それぞれの気道異物除去の方法について説明・実演されています。
下記動画などもあわせてご参考ください。
救急救命士に限らず、医療従事者であれば気道異物除去について心得ている方が多いと思います。知人に医療従事者がいる場合、気道異物除去の方法などについて実際に教えてもらってもよいかも。
掃除機による吸引(非推奨)
掃除機による吸引については、成功事案もあるようですが、原則的には推奨されていないようです。ただ、腹部突き上げ法と背部叩打法のどちらも成功しなかった場合、掃除機で吸引する手段もあるということを覚えておきたいところです。
まとめ
窒息事故の対処法などについてご紹介しました。
いずれも窒息事故にあってしまったら、概して他者からの救援が必要になります。
とにかく知っていれば救える命があるわけです。
気道異物除去の手順|日本医師会 救急蘇生法
食べ物がのどにつまった!子どもが異物を口に入れてしまった!窒息したときはどうする?日本医師会が「気道異物除去の手順」を解説します。