TBSテレビ『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』3時間スペシャル2018を検証します。今回は、野田邸の1階を改装して誕生した「喫茶花」に集う元気な高齢者の高野浩平と畠山作次(シーン27)の巻です。
TBS・渡鬼公式情報
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物語を検証してみる
前のシーンで勇と五月の新たな新居となったウィークリーマンションに何やら相談事を持ちかけに行った弥生。
ということで、場面は弥生不在の野田邸に移り変わって。
すると、なんと!
弥生カフェ(仮称)が野田邸1階にオープンしていました。
名称は「喫茶花」。何とも橋田壽賀子先生のネーミングセンスが光っているかもな弥生のお店がついに誕生していたわけです。
思い起こせば、2017年の渡鬼で勃発した弥生の高齢者サロン開設構想。
ついに弥生の気まぐれが現実化した2018年の渡鬼といった様相に。
「喫茶花」で接遇する佐枝
佐枝:(笑顔で)気を付けて。
喫茶花を後にするご婦人2名をお見送りする佐枝の姿が!
佐枝の慣れた様子から、オープンしてしばらくは立っているようですね。
お見送りを済ませて店内に戻った佐枝がテーブルを拭いたりと。
やはり「喫茶花」の従業員と化していた佐枝。
「大奥様」の弥生が外出中、若奥様の佐枝が店を切り盛りしているようにも。
「喫茶花」の店内はご老人ばかり
店内を見渡すとお元気そうなご老人が目につきますね。
そう言えば、先ほど「喫茶花」を後にしたご婦人2名もご老人でしたね。
やはり「喫茶花」は個人レベルで開設した「高齢者サロン」のようにも。
そんな喫茶花にまた一人、お元気そうなご老人が入店してきました。
「喫茶花」利用メンバー・高野浩平
高野浩平:あっ、どうも。
佐枝:いらっしゃいませ。
高野浩平:(店内で囲碁を嗜むご老人衆4名を見つけて)おっ、やってるね。(別のご老人にも目を付けて)おっ、こんにちは。
登場早々からコミュニケーションスキルを発揮する高野浩平。
演じるのは長谷川哲夫さん。
「森繁久彌の七人の孫」でメインキャストだったり。
「3年B組金八先生」では校長先生役も。
ほかにも水戸黄門や大映テレビ作品など、数多くの名作に出演されてきたわけです。
知る人ぞ知る長谷川哲夫さん、さりげなく大物です。
高野浩平:あれ、弥生さんは?
佐枝:出かけてます。例の方のことで妹さんのご主人に相談してくるって。
高野浩平:あーそう。今、作ちゃんがねぇ、彼を迎えに行ってるんだよ。何としてでも今夜引っ張り出してここへ連れてくるんだってさ。あっははは(笑)
佐枝:いらっしゃいますかね。私も一度お誘いに伺いましたけど、「友達なんていらない」「老人クラブなんて、年寄りの幼稚園みたいなとこ行くのはたくさんだ」って。相手にもしてはもらえませんでした。
例の方にアプローチはしているものの介入拒否を喰らっている様相の「喫茶花」。
そこへまた一人、元気なご老人が喫茶花にやってきました。
「喫茶花」利用メンバー・畠山作次
佐枝:あ、いらっしゃい。
畠山作次:あぁ。
「例の方」を引っ張り出してくる予定だった作ちゃんこと、畠山作次。
演じるのは、坂口芳貞さん。
勇役の角野卓造さんも所属する文学座の重鎮です。
文学座附属演劇研究所の所長として後進の育成にも尽力されているようです。
舞台俳優としても声優としても名を馳せてきた坂口芳貞さん、やはり大物です。
高野浩平:おう。なーんだ。1人か。
畠山作次:いやっぱり駄目だったよ。どうしてあんなに強情なのかね。大きな屋敷に一人暮らしでさぁ。いつ掃除したかもわからない、ゴミだらけん中でさぁ。ここへ来てみんなと付き合えるようになったら、ボランティアで掃除くらいしに行ってやるなんてさぁ。(佐枝に対して)あっ、いつもの。
高野浩平:あーあ、私もね。
佐枝:はい。
例の方はゴミ屋敷在住(作次情報)とは。
なかなか例の方は手強いというか厄介というか。
高野浩平:今、弥生さんがね。彼のことで妹さんの所に行ってるみたいなんだよ。あっ、弥生さんなら何とかしてくれるかもな。
畠山作次:んー、あんな男のことは放っときゃいいんだよ。1人で野垂れ死にしたって知るかよ。
例の方の介入に失敗したためか、急に薄情な爺(じじい)にへんげ(変化)した作次(笑)
「喫茶花」オープンの立役者だった浩平と作次
改めて2017年の渡鬼を思い起こしてみれば。
弥生を野田邸改装、そして喫茶花オープンに導いたのは高野浩平や畠山作次たちとの出会いに起因するわけで。
長谷川哲夫さん扮する高野浩平、そして坂口芳貞さん扮する畠山作次。
弥生が野田邸を改装して「喫茶花」をオープンさせるきっかけとなった二人との一幕。
画像:TBS『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』2017年3時間スペシャルhttps://t.co/DCsmDdE9Rr pic.twitter.com/EbPNV1CdD8
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) August 5, 2019
2017年当時、怪しいご老人が弥生に近づいてきた印象しかなかった浩平と作次(笑)二人とも妻に先立たれてマンションで独居生活でしたね。
とにかく2018年の渡鬼で「喫茶花」がオープンしたのであれば。
「喫茶花」の展開に期待したい
今まで渡鬼の面々が集うステーション的な役割を担っていたのが「おかくら」。
当時の大吉が天下り先の会社を辞して「おたふく」での修行を経て調理師免許を取得。そして「おかくら」をオープンさせたわけですね。
当時の橋田壽賀子先生からすれば、大吉にサラリーマンをさせておくよりも、小料理屋を営ませたほうが色んな人が集まって物語が展開しやすいだろうと思われたのかもしれません。あくまでも推測の域ですが。
それから月日が流れて、宇津井健さんのご逝去で物語の中でも大吉がこの世を去る。
遺産相続問題も済んで日向子が「おかくら」を継ぎ、長子は訪問医療を展開する英作を助けるために「おかくら」から本間クリニックに居を移すことに。
今後においても、大吉と節子の位牌があること、「おかくら」株の配当金を相続権として得られること等、岡倉五姉妹が「おかくら」に集まる理由はあったりします。
ただ、大吉亡き後、物語のトメは名実ともに野田弥生役の長山藍子さんに移り変わりました。
ということは、今まで大吉が担ってきた役割を弥生が継承するのも当然と言えば当然。
このような意味合いがあるかどうかは別として、とにかく2018年に誕生した喫茶花。
今後も何とか渡鬼が続いてくれたら、物語のキーステーション的な役割を担っていく可能性があるかもしれませんね。
「喫茶花」もやすらげない郷に
喫茶花が誕生した2018年の渡鬼には、元気な高齢者で俳優の長谷川哲夫さん、そして坂口芳貞をはじめとした文学座勢が参戦。ある意味でこの流れを大切にしてほしいといいますか。
というのも、渡鬼でナレーションを担当されている石坂浩二さん主演の『やすらぎの刻~道』がやっぱり面白いから。「やすらぎの郷」に集うご高齢なスターたちのひと悶着は実に愉快。
だから、弥生の喫茶花が誕生したのであれば、これまでの渡鬼出演者の出入りはもちろん、まだまだお元気なご高齢のスターをどんどん渡鬼に登場させてほしいですね。
渡鬼のスピンオフでやったら面白そうなことって結構ありまして。
喫茶花もスピンオフで「やすらげない郷」みたいに物語を展開させたら面白いはず。
【本日15日昼12:30〜第71話あらすじ】
菊村栄(#石坂浩二)のコテージに突然、亡き父・栄一(#梅宮辰夫)が現れた。驚きを隠せない栄に対し、栄一は「お前のドラマが天国で評判だ」と告げ、忘れっぽい天国の住人たちのためにドラマのあらすじを最初から語ってくれと頼む…。#やすらぎの刻 pic.twitter.com/awAh4Oemgu
— やすらぎの刻〜道 (@yasuragino_toki) July 15, 2019
石坂浩二さん扮する菊村栄の前に天国から亡き父・栄一が姿を現した何ともトリッキーな展開とか(笑)
辰ちゃん扮する栄一が天国から出張ってきたら視聴者としては笑うしかない。
渡隅賞の発表!
このシーンの渡隅賞各賞を発表します。
各賞受賞のみなさん、おめでとうございます!
若奥様賞、留守居役賞
大奥様的な存在かもな弥生が不在の中、一人で喫茶花を切り盛りして若奥様のようだった横川佐枝役の馬渕英里何さん。
岡倉家の長女・弥生( #長山藍子 さん)の長男の元妻・佐枝役の #馬渕英里何 さん!
離婚後も弥生とたくさんの子供の面倒を見るお優しい人です。
写真はとあるカフェにて📸#渡る世間は鬼ばかり #渡鬼 #TBS pic.twitter.com/ePTDaqTUva— 渡る世間は鬼ばかり 2019年9月16日放送 (@wataoni_tbs) September 6, 2018
一期一会賞、立役者賞
2017年の渡鬼で偶然にもお知り合いになったことで、弥生が野田邸の1階を改装して喫茶花の開業を閃かせるきっかけを与えた高野浩平役の長谷川哲夫さん、そして畠山作次役の坂口芳貞さん。
長谷川哲夫さん扮する高野浩平、そして坂口芳貞さん扮する畠山作次。
弥生が野田邸の1階を改装してオープンさせた「喫茶花」に集った二人の一幕。
画像:TBS『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』2018年3時間スペシャルhttps://t.co/2RKqWmeqpg pic.twitter.com/SizNyFcvYk
— 渡る世間の片隅で (@watasumi_net) August 5, 2019
渡鬼出演者・関係者情報
過去鬼は「TBSチャンネル」で視聴できます。