TBS『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』3時間スペシャル2018を検証します。今回は、大けがの勇が車椅子で活動することを「おやじバンド」の売りものにしたい典介(シーン7)の巻です。
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物語を検証してみる
大けがでデラックスな特別室に入院した勇。
金田典介、中本源太、川上華江の「おやじバンド」のメンバーが豪勢な果物の盛り合わせを携えて見舞いに訪れたようです。
五月:あと一週間経ったらね、退院して通院してリハビリできるそうです。
典介:じゃぁ、いつでも車椅子で出歩けるってことじゃないか。
勇:(口をつぐむ)
華江:よかったぁ。そしたらもうすぐ、幸楽にお帰りになられるんですね。
勇:いやいやそれがね、幸楽、住まいが2階でしょ、階段の昇り降りがまだ無理なんで、しばらくの間、眞夫婦んとこへ世話になることになるらしいんですけどね。
貴子が眞に遺産相続放棄をさせてまで勇・五月との同居を頑なに拒んでいること、この段階ではまだ勇と五月は知る由もなし。
ちなみに、典介の言葉、何やら含みがありそうです。
華江:へぇ、うらやましいなぁ。眞ちゃんは昔から優しい子だったから。
華江の亡夫・哲也は勇と幼なじみ。無論、幼少の頃から眞とは顔なじみだった様子。
五月:でも今度は、眞のとこ行ったら、久しぶりに孫を抱いてやれます。それに向こうへ行ったら嫁と孫のこともやってやれますから。どうぞお茶。
嫁や孫に関わりたい五月、関わってほしくない貴子。
そうとも知らず、五月がペットボトルに入ったお茶系のドリンクをコップに注ぎ終えました。
特別室には給湯室もあるわけですが。今回は手っ取り早くおもてなしな様相。
源太:幸楽の名物女将もただのお婆ちゃんなんだよなぁ。
いつの間にか幸楽の「名物女将」になっていた五月。
それにしても源太の言い回し、相変わらず独特ですね。
典介:けど、車いすででも外出できるようになったら、おやじバンドもやれるんじゃないの?
勇:(驚きの形相)
源太:ギターさえ弾けたらさぁ。
華江:脚が悪くても、ギター弾く手は大丈夫じゃないですか。
勇:(笑いながら)冗談じゃないですよ。それこそ足手まといになるだけですから。
車椅子で参加するように促すおやじバンドの各メンバー。
対して、それこそ「足手まとい」と返す勇。
橋田壽賀子先生、上手いなぁ。
典介:いやいや意外とねぇ、ウケるって気がするんだよな。俺たちが呼ばれる所は介護施設か老人ホームのボランティアだ。えぇ、膝の靱帯が切れても、車椅子で来て演奏してくれたって感動してもらえるんじゃないかなぁ。私たちも頑張ろうって励ましにもなるしさぁ。
源太:(自分の両手で自分の両膝を叩いて景気のよい音を発した後)いい、それいい。少々辛くてもやってもらおう。とにかく俺たちの評判を聞いて来てほしいってところがたまりにたまってんだよ。
とにかく勇に猛プッシュな典介と源太。
勇の面相も徐々に変わりつつあります。
五月:そうですよ、有難い話じゃないですか。あなた、お役に立つんだったら、うちにいるよりも皆様にはお世話かけるかもしれませんけど、この際ですから是非。
源太:リハビリにもなるかもしれないぞ。
勇:そうだなぁ、じゃぁ、何とかトライしてみるかよ。
五月もおやじバンドメンバーに加勢します。
確かに源太の言うことも一理ある。車椅子でバンド活動、引きこもり予防にはなりそうです。
ということで、その気になってきた勇です。
典介:安心したぁ。いやぁ、哲が亡くなったときも、メンバーが一人欠けたらおやじバンドはお終いかって半分あきらめてたら、奥さんの華江さんが哲の代わりに入れてほしいって言ってくださってさぁ。奥さんの歌でおやじバンドの株が上がって「しめた!」って思ってたらマスターの大けがだろ。またダメかってがっかりしてたんだ。それが大けが売り物にしてやれるなんてついてるよなぁ。
五月:ほんとにありがたいですよ。(中略)参加させていただけたらよろしくお願いします。
2017年の渡鬼の復習にも役立つ説明的な典介の長台詞。
車椅子でおやじバンドに参加するように、勇を口説くことが典介の目的だった顛末。
2016年、哲がいた頃のおやじバンド。
そして哲亡き後、妻の華江が2017年に新加入。
典介:車椅子はさぁ、私たちがお見舞いにプレゼントしましょう。もちろんおやじバンドの時は俺たちが押して、身の回りの世話もします。任せといてくだ(と言いつつ、勇のケガした脚を叩こうとして寸止め)。
勇:やめろってだから。
一同:ハハハハハ(笑)
勇のケガした脚をわざと痛めつけようとするそぶりを見せる典介の芸、どこか懐かしさを感じますね(笑)
ちなみに、価格はピンキリですが、一般的に買うと数万円はする車椅子。庶民的には決して安い買い物ではないかと。
勇の脚が治ってくれたら将来的には車椅子の必要がなくなるわけで。
車椅子を短期間で卒業できそうなら、レンタルを検討してみるのも一案。
まぁ、渡鬼の登場人物は概して懐が豊か、無用な心配でしたね。
渡隅賞の発表!
このシーンの渡隅賞各賞を発表します。
各賞受賞のみなさん、おめでとうございます!
主演男優賞
車椅子上で演奏する勇をおやじバンドの売り物にするために、説明的な長台詞を駆使して勇を口説き落とした金田典介役の佐藤B作さん。
#おやじバンド のベース&ボーカル担当! 金田典介役の #佐藤B作 さん!
サラリーマン歴30年以上でおやじバンドではリーダー的存在の二刀流!? です!
あと19日!!!#渡る世間は鬼ばかり #渡鬼 #TBS pic.twitter.com/qh4aB2LsjA— 渡る世間は鬼ばかり 2019年9月16日放送 (@wataoni_tbs) August 29, 2018
助演男優賞
典介とともに、独特の言い回しで車椅子でおやじバンドに参加するように勇に働きかけた中本源太役の山本コウタローさん。
勇の幼なじみ、中本源太役の #山本コウタロー さん!「おやじバンド」ではギターを担当しています!#渡る世間は鬼ばかり #TBS #渡鬼 pic.twitter.com/U22e5wMTE6
— 渡る世間は鬼ばかり 2019年9月16日放送 (@wataoni_tbs) August 27, 2018
渡鬼出演者・関係者情報
過去鬼は「TBSチャンネル」で視聴できます。