橋田壽賀子著『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』で新たに収録された門出

令和元年が幕開けした五月一日。日本経済新聞「私の履歴書」に登場されたのは橋田壽賀子さんだったわけですが。橋田先生と言えば、渡鬼やおしんなどの人気ドラマを手がけてきた超人気作家。「私の履歴書」においても、その才覚を遺憾なく発揮されたわけです。当時は、橋田先生の「私の履歴書」を読むのが本当に楽しみでしたね。というわけで。

橋田先生の「私の履歴書」がついに書籍化されました!

 


 

書籍名はなんと!『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』だそうです。

兎に角、橋田先生が日経新聞の連載を終えてから約半年後の朗報。2019年のうちに発売に至ったことについては、首尾よく事を進めてくれたといった個人的な印象です。そもそも、出版に至らない可能性もあったわけですから。無論、出版しない判断は妥当とは言い難いと思い〼(ます)。

というわけで、橋田壽賀子先生の『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』について、日経新聞の掲載内容と比較して、新たな記載事項や微調整部分などに注目してみました。

 

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当書籍の外観

2019年11月9日、本屋さんで出会うことができた書籍版「私の履歴書」の帯付き表紙面。

日経新聞「私の履歴書」2019年5月1日朝刊に掲載されたお写真が帯でも採用されたわけです。

ちなみに、この日は奇しくも渡鬼で小島眞役・えなりかずきさんのお誕生日。

 

 

それはさておき。

 

裏表紙の帯については、日経新聞「私の履歴書」ではお目見えしなかった写真が新たに掲載されました。また、帯に記載された文章は、日経新聞「私の履歴書」の本文から引用されたもの。

 

カバーの内側には略歴の記載がありました。

橋田先生の人生がコンパクトに要約されています。

やはりレジェンド作家の業績には改めて圧倒されますね。

ちなみに、巻末にも略歴の記載があります。

 

 

それにしても。橋田先生、よい表情しています。

 

日経新聞版と比較してみる

2019年11月9日現在、購入した書籍版「私の履歴書」をさらっと眺めてみたところ。

日経新聞版「私の履歴書」の本文について、「おそらく」大きな加除訂正はなく、そのまま書籍版に掲載された模様。当たり前と言えば当たり前ですが。実際のところ、「書籍版」については詳しく読み返していないので何とも言えないところ。

しかしながら、明らかに日経新聞版にはなかった趣きを書籍版で発見できました。

はじめに

書籍ですから当然のことながら「はじめに」が掲載されています。

「私の履歴書」に連載した感想など、橋田先生のコメントが簡潔に述べられています。

掲載写真

上述した通り、帯には新たな写真が採用されました。

さらに、本編では日経新聞版とは異なる写真に変更された項目がありました。

こちらはほんの一例。

 

日経新聞版の「夫の死」については、書籍版の帯の表面に採用されたお写真が掲載されていましたが。書籍版ではご主人とのツーショット写真に変更されました。それにより、写真に付記された簡単な説明文も必然的に変更された状況。

ほかにも変更された写真(とその説明文)がいくつかありました。以下、項目ごとにご紹介します。

 

玉音放送

日経新聞版と同じ写真 → 書籍版では写真が拡大。集合写真の全貌が明らかに。

 

母の死

ご自身とお母様 → ご自身単独

 

テレビの時代

日経新聞版と同じ写真 → 書籍版では写真が縮小。ご自身と鴨下氏のお二人に。

 

となりの芝生

赤ん坊を抱いたご主人と姑さん → ご自身と姑さん

 

「渡鬼」

日経新聞版と同じ場面 → 書籍版では微妙に違う写真を採用

 

「春日局」

ご主人単独 → ご自身とご主人

 

2つの腕時計

脚本棚とお手伝いさん → 脚本棚のみ

 

 

気づいただけでもこんな感じでしょうか。

兎に角、橋田先生と大和書房の間で何かしらのやりとりがあった様相ですね。

50年前の結婚挨拶状

そもそも。当書籍の中を開いてみると。

目次の終わり部分に次のような文章が記載されていました。

本書は日本経済新聞に連載された「私の履歴書 橋田壽賀子」(2019年5月1日~5月31日迄)に一部加筆し、「50年前の結婚挨拶状」を収録して構成致しました。

出典:人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書 [ 橋田 壽賀子 ]

 

当書籍の目玉と言っても過言ではないかもな「結婚挨拶状」。

特に、日経新聞版の「私の履歴書」を既に読んでしまった方からすれば、「はじめに」とともに新たな記載ですので。

それでは、ご主人とご自身がどのような挨拶状を仕上げてきたのか。

一言で言うと、お二人が別々にこしらえてきた挨拶状のコントラストが楽しい。

見るからに「お二人さんの性格、真逆ですよね」とか言いたくなる印象(笑)

特に、ご主人がこしらえた挨拶状が興味深かったですね。

兎に角、細かいお人だったことが容易に推察できます(笑)

 

というわけで、「50年前の結婚挨拶状」の内容を拝見できたことからも、やはり書籍版を購入してよかったと個人的には満足しました。

日経新聞電子版のご紹介

これまでは書籍版の「私の履歴書」をご紹介してきたわけですが。

どうしても内容は気になるけど書籍は買いたくないという方がおられるかもしれません。

そのような方には日経電子版をおすすめします。

 

橋田壽賀子のニュース・発言など最新記事 - 日本経済新聞
【日経】「橋田壽賀子」に関する最新ニュースや解説をお届けします。

 

というのも。

日本経済新聞公式サイトの「私の履歴書」は有料会員限定記事となっていますが、日経電子版の無料会員登録で、有料記事も一定数閲覧できます(2019年11月9日現在)。

もっと具体的に言えば、日経電子版の無料会員登録で月10本まで有料会員限定記事を閲覧可能(2019年11月9日現在)。

今後においても、無料会員登録で月10本の有料会員限定記事の閲覧が可能であれば。3か月がかりで橋田壽賀子先生の「私の履歴書」を無料で読破することができますね。

それでもやはり。

一気に読破できる書籍版の方をおすすめします。

 

 

橋田壽賀子先生が面白い

一年に一回のスペシャル放送が定着した橋田壽賀子先生の渡鬼。ということは、渡隅にとって一年の大半は閑散期だと思っていましたが(笑)

ところがぎっちょんちょん!令和元年は一味も二味も違っていましたね。

というのも、やはり橋田先生の『おしん』がBSプレミアムで再放送されたのが非常に大きい。

個人的には物語の内容を随分忘れてしまっているので。改めて『おしん』を嗜みたい感覚でおりましたが。

特に、ツイッター上では思いっきり「オシンドローム」が再来したことを目の当たりにしました。兎に角、猛者が多くて圧倒されてしまいますね。

それでも橋田壽賀子作品が好きな渡隅としては、このような状況がやはり嬉しい。

 

そこで、橋田壽賀子作品を嗜む上で、作者の人生や思想を理解することはやはり重要だと思っています。

そのうちに作者の特性がわかってくると。

簡単な例で言えば、2019年の渡鬼で「谷村庄治」を登場させてきたのは。明らかに『おしん』の再放送が作者を動かしたな、とか。

 

 

2018年の渡鬼でワインが2回も登場したのは(笑)おそらく作者が豪華客船内で原稿を執筆中にワインを嗜んだな、とか。

 

 

その時その時の状況やらに影響されやすい作者のことが個人的には微笑ましく思えてきたりと。

兎に角、橋田先生のことは知れば知るほど面白いというのが率直な印象(笑)

というわけで、皆さんにも是非、橋田先生の「私の履歴書」を読んでいただきたいわけです。

まとめ

橋田壽賀子著『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』をご紹介しました。

レジェンド作家の「私の履歴書」が書籍で気軽に読めるのは何とも有難いことですね。

 

特に、書籍版で注目したいのは、新たに収録された50年前の門出。

レジェンド作家の新たな一面を垣間見ることができるかも。

感想は人それぞれだと思い〼(ます)。

それでも、是非おすすめしたい一冊です。

 

 

当サイトの関連記事

日経新聞朝刊に橋田壽賀子先生の「私の履歴書」が連載されていた当時、30日分を読んだ随想などを渡隅がブログ記事としてこしらえたものです。

 

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